脱水状態になっていると熱中症を発症しやすくなる
熱中症になりやすい背景には脱水も潜んでいます。
「高温の環境で活動すると体温が上がり、体温を下げるために汗をかきます。発汗によって体の水分が減少するとそれ以上水分が失われないように発汗が止まり、体内に熱がこもって体温が上昇し熱中症が進行します(下表参照)。つまり、高温の環境下に置かれた段階で脱水状態になっていると、それだけ熱中症を発症しやすくなるのです」。
谷口先生によると、自分では気づかない“かくれ脱水”になっている人も多いといいます。
ウイズコロナの今夏も外出自粛やマスク着用など感染症予防対策の徹底が求められ、マスク熱中症のリスクも続くことが予想されます。
脱水予防は熱中症を防ぐうえでの鍵となるため、この特集では脱水予防の観点から熱中症対策を考えていきます。
STOP熱中症 教えて! 「かくれ脱水」委員会ホームページを参考に作成※「マスク熱中症」とは医学用語ではありません。本稿では「マスクを装着していたことも熱中症の発症に関連していたかもしれない熱中症」のことを「マスク熱中症」と呼んでいます。 取材・文/渡辺千鶴 イラスト/にれいさちこ
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。