盂蘭盆会(うらぼんえ)
天に昇った魂が帰ってくる日
絵・文=鮫島純子(エッセイスト)
盂蘭盆会は旧暦7月、つまり新暦の8月15日前後に行われる先祖供養の行事で、地域によって時期や風習などに違いがみられます。
この言葉は仏教の経典『盂蘭盆経』に由来し、お釈迦様の弟子の目連(もくれん)が、餓鬼道に堕ちて苦しむ亡き母の霊を、師の教えに従い徳を積むことで救ったという説話がもとになっているとか。
日本に伝えられたのは7世紀ごろといわれており、今も人々は迎え火や送り火、精霊流しなどを行い、先祖の霊を供養する風習を大切にしています。
この行事が連綿として続いてきたのは、日本人の家族を想う優しい心根があればこそではないでしょうか。
『家庭画報』2021年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。