涼やかな夏の生活道具 第2回（全6回） 家家で過ごす時間が多くなりそうなこの夏は、日々の生活道具を今一度見直すいい機会かもしれません。この特集で取り上げるのはガラス器と染織品。夏の暮らしを涼やかに演出してくれる日本の手仕事の逸品を、使い方の提案とあわせてご紹介します。
前回の記事はこちら＞＞ シンプルだけど夏の食卓で楽しめる器
近年の日本のガラス工芸は、色を封じ込めた質感や表現が増え、季節の垣根を跳び越えた感があります。しかし、灼熱の日差しの中で手が伸びるのは、なんといっても透明感があり、きりっとした涼感に溢れたガラス器でしょう。
クリアな吹きガラスに砂を吹きつけて艶消しの白い直線をこまかに刻み込む新田佳子さんの器からは、手仕事のテクスチャーが伝わってきます。あたかもガーゼをまとったような繊細さや墨色ガラスから微妙なニュアンスを漂わせる有永浩太さんの作。（ともに7月15日配信の記事で紹介予定）
陶器の口縁に施す“口紅（紅色や茶色のライン）”のように、コップの縁にとりどりの色ガラスをあしらった
東 敬恭（あずま ゆきやす）さんの楽しいタンブラー。
ベネチアンガラスで秘法とされていたレース模様を、アキノヨーコさんは「日本という場所で使ってもらえる器に」と柔らかなフォルムに作っています。
作り手がそれぞれオリジナルの美しさをにじませたガラス器たちは、いずれもシンプルな佇まい。ガラスの肌を通して飲み物の色が映し出され、そこに氷を加えれば光がゆらゆらとゆらめきます。テーブルの陰影もひんやりした輝きも、ガラスならではの美。一杯の水を飲むのにも毎日使いたくなるコップを、傍らに置きたいものです。
エレガントな佇まいのコップ「ベッロ XM」
「ベッロ XM」 木村硝子店 2個セット4840円薄くてエレガントな佇まいの木村硝子店のコップ。かつて裸電球を製造していた工場の、ガラスを薄くのばす技術を生かして作られた手吹きコップ。一つ一つ丹精込めて吹いて作られた極薄のコップは口あたりが爽快。
詳しく見る＞＞スタックしてコンパクトに収納
特筆すべきはスタックできること。通常タンブラーは真ん中くらいまでしか重ならないが、「ベッロ」は5、6個がすっぽり。コンパクトに収納できて重宝。
