日日是“笑”日(にちにちこれしょうじつ) 女優の柴田理恵さんが綴るきもの日記。きもののリメイク術から、愛犬との心温まる暮らし、得意の料理など、笑顔あふれる日常をお送りします。
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暦の上では夏の盛りも近いですね。原稿を書いているこの瞬間は梅雨空に覆われていますが、今年はどんな夏になるのでしょう。
夫婦お揃いのアバンギャルドな浴衣
我が家では、昨年ついぞ袖を通す機会がなかった夫婦揃いの浴衣が、今か今かと出番を待っています。花火や阿波おどりなど、楽しみにしていた夏のイベントが今年も見送りとなりそうなので、「ならば!」と庭で夕涼みをした姿を皆さまにお披露目。黒地をベースに目にも鮮やかなプラムピンクで骸骨が描かれた、アバンギャルドなデザインです。
贔屓筋の力士の名前をデザインした、ちょいと、いやいや、かなり派手な柄ゆきですが、それも浴衣ならでは。照れる夫におかまいなしで仕立てました。
私は白の博多献上帯をきりりと結んで。好みのグリーン系の帯締めに、軍配の帯留めで相撲観賞の気分を演出してみました。夫は「かまわぬ」の文字を織りだした角帯に、富山ゆかりの力士にちなんで「おわら風の盆」の団扇を差し入れていなせな後ろ姿を気取ってみました。
ここからは、大江戸散歩の架空コーディネート。相撲観戦の後に、大川(隅田川)で涼風を感じ、ちょいと一杯たしなんで帰路につく……という日がいつ訪れるかわかりませんが、その折には、こんな波丸模様のきものがムードに合いますね。
鮮やかなブルーとしゃり感が心地よいアンティークの単衣のきものは、大人のお出かけ浴衣っぽく着られる一枚です。小粋なきものに対して、夏の草花を多彩に描いた絽の染め帯で女性らしさをひと匙、おほほほほ。