名門避暑地に暮らすということ 憧れの軽井沢ライフ 第8回(全24回) 本物の軽井沢別荘文化を知り、この地をこよなく愛する人々の別荘ライフと軽井沢の本物の暮らしを追求する話題のホテル、美食の新潮流を紹介していきます。
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決して華美ではない、自然体の暮らしが心地いい家
青モミジの木々が涼しげな葉陰をつくる別荘の庭でくつろぐ林 真理子さん。「小川のせせらぎと鳥のさえずりに癒やされます。ここへ来ると、本を読んでいる時間が長いですね」。林 真理子さん(作家)旧軽井沢の豊かな自然に溶け込むように建つ林 真理子さんの別荘は、この地域に多い木造平屋建て。昭和30年代後半に映画監督の井上梅次さんが建てたもので、和洋5つの個室にサウナ付きの広い浴室も備えた大人数仕様です。「井上組のみなさんが何十人も合宿されたそうです」と話す林さんがこの別荘を譲り受けたのは、6年ほど前のことでした。
友人で料理研究家の井上絵美さんが梅次さんのお嬢さんだったことから、ご両親亡き後、利用していなかった別荘を見せてもらった林さん。「テラスから見る緑の美しさと、華美ではなく、昭和の佇まいが心地いい空間にひと目ぼれしました」。それを聞いた絵美さんは、親しい林さんにならと譲ることを快諾。
林さんは、「実は以前、軽井沢のかたのホームパーティに招かれた際、お客さまがみなさん、ご自分の別荘に歩いて帰られるのが、ちょっとうらやましかったんです。でも、この別荘を見るまでは買うつもりはありませんでした」と打ち明けます。
現在は、夏に数日間滞在する以外はもっぱら親戚や友人に貸して喜ばれているのだそう。「でも、30年ぶりにゴルフを始めたこともあり、今後はもっと来ようと思います」。林さんの軽井沢別荘ライフは、これからさらに楽しいものになりそうです。