デコルテを彩る希少価値の高い珊瑚
西洋では魔除けとして、東洋では不老長寿のお守りや成長のシンボルとして人気の高い珊瑚。肉厚の血赤珊瑚を大きな原木からまるごとカットして作っているため、見事に色が揃っています。華やかな色合いが、顔色を明るく彩ります。ペンダントトップは取り外して使うことも。ネックレス「AKANE SASU」(YG×Pt×珊瑚×ダイヤモンド)3630万円/ノブコイシカワ ●お問い合わせ/ノブコイシカワ TEL:047(324)4712和のアイディアで軽やかなデザインに
解説/山口 遼(宝石史研究家)
和装の世界で、2種類以上の素材を撚り合わせて紐を作り、色の違いがスパイラル状に見えるのを撚紐と呼ぶようですが、この「ノブコイシカワ」の新作のネックレスは、こうした和のアイディアを取り入れ、見事なジュエリーを作り出しています。
素材は血赤と呼ばれる最も濃い色の珊瑚と金線。ペンダントトップの部分は金線ではなくダイヤモンドを埋め込んだ線を使っています。
珊瑚という素材は、イタリアを中心とする地中海での資源が枯渇した後、日本の近海が主な産地であったことからも分かる通り、日本人にとっては昔から馴染みのある宝石でした。
しかしあまりに身近なために扱いが軽く、ほとんどが単純な珠をつないだだけのネックレスなどが多かったのです。そうした悪しき伝統を打ち破り、鮮明な色合いと自在に成形できるという特徴を生かしたのがノブコイシカワです。
このネックレスに使われている珊瑚は、すべてデザインに合わせて精密にカットされています。色が濃いだけに、多く使いすぎると、ともすればグロテスクになりかねないのを、線を加えたりパーツの間に白い円形の小さなダイヤモンドのデザインを加えることで、全体に軽やかで使いやすいデザインに仕上げています。
ノブコイシカワの高い技術力と新しい方向を示す、楽しい作品です。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2021年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。