佐藤天彦名人が自宅での取材をお許しくださった理由、
未掲載のQ&Aを追加リポート
「ゴージャスなカーテンとシャンデリア! これ、どこのホテル?」「実は佐藤天彦名人のご自宅なんです!」。家庭画報編集部でも話題をさらった佐藤天彦名人のご自宅。プライベート空間の公開に、「ちょっと気恥ずかしいです」とおっしゃっていましたが、『家庭画報』の読者の皆さんはもちろん、棋士の先生方の間でもかなり話題にのぼった様子……。天彦名人、本当に有難うございました!
今回、なぜ天彦名人にご自宅での撮影をオファーしたか。それはやはり『家庭画報』において将棋が初めての特集だったから、ということに尽きます。将棋が世間でブームになっているといっても、将棋専門誌ではなく、婦人総合誌である家庭画報読者の多くの方にとっては、未経験の世界の可能性が高いはず。
初特集の限られたページ数の中で、どこか琴線に触れて頂ける部分があれば、そこから棋士の皆さんや将棋界の魅力に興味を持っていただけるかも……と思い、例えば羽生善治二冠には「将棋界を象徴する存在」、加藤一二三九段には「情熱的な人生と、それを支えるグルマンの素顔」、中村太地王座には「人柄と賢さで将棋の魅力を啓蒙していく棋士」といった、それぞれ裏コンセプトのビジュアルイメージのもとにご登場願いました。
天彦名人のコンセプトは「将棋、そして夢と美を楽しむ」でした。まさに家庭画報の世界観と同じです(笑)。連載や著書などでご自分のインテリアやコレクションに言及されているのを拝見し、天彦名人にはご自宅での取材をオファーした次第です。
『家庭画報』1月号の発売後、改めて「なぜご自宅での取材を受けてくださったのでしょうか?」とお尋ねしたところ、「普段から将棋界を応援してくださっている方以外も読まれる『家庭画報』さんで、せっかく初めて将棋特集をしていただけるので、オファーくださったリクエストの中で可能なことには僕なりにご協力できればと思いました。ビジュアルが大切な要素になるともおっしゃったので、僕のインテリアでお役に立てるなら」と。
今まで一部のインテリアはお見せしたことがあったそうですが、ここまで空間の作りがはっきり分かるお披露目は初めてとのこと。「この特集で新たな女性将棋ファンの裾野を少しでも広げたい」という祈りに応えてお許しくださったのだと思います。本当に感謝です!
「棋士としてのピークは30代半ばから後半までといわれていますが、できれば40代以降も活躍したい思いはあります。でも、現実問題これだけ時代の流れが早くて、有力な若手棋士も出てきていて一寸先も分からない状況なので、目の前のことを一つひとつしっかりやっていくことになるかと。理想をいえば現役は長く続けたいですし、その分活躍できる年齢も息長くと思ってはいます」