竜王と並ぶ、最高峰「名人位」の防衛に成功。
将棋界を牽引するトップ棋士の一人!
中学生棋士・藤井聡太四段怒濤の29連勝、「ひふみん」こと加藤一二三九段の愛されぶり、そして羽生善治新竜王の誕生、「永世七冠」達成と、年末まで話題にことかかなかった2017年の将棋界ですが、その立役者のお一人が佐藤天彦名人です。
コンピューター将棋ソフトと対戦する棋士を決める「叡王戦」で第2期優勝者となり、5月の「将棋電王戦」においてコンピューター将棋ソフトウェア代表「ponanza(ポナンザ)」と対局。
また、4月から6月まで行われた第75期名人戦7番勝負では挑戦者の稲葉 陽八段に4勝2敗で勝利して名人位の防衛に成功。第74期での奪取に続き、2期連続名人となりました。
11月に発表された「GQ MEN OF THE YEAR 2017」ではブーム賞を受賞。一躍、時の人となったところで『家庭画報』1月号におきまして、ゴージャスなご自宅を公開してくださったのです!
そしてお話の面白いこと。的確かつ迷いがなく、滑らかな口調でとっておきのお話をたくさんお聞かせいただいたのですが、本誌だけでは書ききれず……。泣く泣く落とした内容から、幾つか抜粋してお届けいたします。
「今、将棋以外で一番心ときめくのは家具なんですが、最近はアンティーク家具にもすごく興味があって。え?危険?そうなんです(笑)。対局がないときは、フランスのアンテーィークサイトやサザビーズのオークションサイトを夜な夜な何時間も見ています(笑)」――負けてしまった時の気持ちの切り替え方はありますか?
「当然ながら負けたその日が一番辛いんですけれど、趣味が役に立っていますね。家に帰れば好きなものがちりばめられているので(笑)。そういうところから楽しい感情を呼び覚ましていって心を解きほぐしていく感じでしょうか。あとは寝ます! 人間の忘れる機能を活用しながらこなれていってるのかなと思います」
――タイトル戦における1日制と2日制の対局で、相性などはあるのでしょうか?
「今のところ僕は2日制のほうが結果が出ているんですよね。1日制に2回出ていますが、どちらも負けましたし。初めて出た2日制である名人戦はすでにタイトル戦3回目ということで経験があったから、結果につながったのかもしれませんけれども。タイトル戦にはいろいろな醍醐味があるので、2日制のように長い将棋の方がじっくり楽しみやすいかなとは思いますね。お食事もおやつも味わっていただいていますし(笑)。将棋をあまりご覧になったことがない方だと、“対局中ってずっと座っているの?”と聞かれることもあるのですが、持ち時間は結構自由に使えるんですよね。気分転換するために離席してちょっとお庭を観たり、控え室に戻って横になることもあります。2日制のほうが、少し気持ちの余裕を持てるという違いはある気がしますね」