秋のお彼岸
先祖と心が交流する日
絵・文=鮫島純子(エッセイスト)
“彼岸”はサンスクリット語パーラミター(到彼岸)の漢訳語。この時期に『六波羅蜜(ろくはらみつ)』という六つの修行を行えば彼岸(極楽浄土)に到る道が開かれるとされ、全国の寺院で彼岸法要が行われます。
お彼岸の中日(秋分・春分の日)は昼夜の長さがほぼ同じになることから、古(いにしえ)の人々は此岸(この世)と彼岸が最も近づく日、つまり先祖への感謝の気持ちが伝わりやすい日と考え、墓参の風習が始まったとか。
お萩(はぎ)〔春は牡丹餅(ぼたもち)〕を供えるのはもち米に餡を“合わせる”にかけて、先祖の心に感謝の心を“合わせる”という、素敵な意味もあるそうです。
『家庭画報』2021年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。