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箱根でアートに囲まれる一日を。『モネ─光のなかに』展、『フジタ─色彩への旅』展

2021.08.26

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〔今月の美術〕『モネ-光のなかに』『フジタ-色彩への旅』

エントランス

エントランス。森を抜けて美術館入り口へ。

2002年に開館したポーラ美術館は、ポーラ創業家2代目の鈴木常司氏が収集した作品を中核とする約1万点を所蔵。同館で現在、2つの注目の展覧会が開催中だ。


フジタ

「フジタ─色彩への旅」展示風景。© Ken KATO

『フジタ─色彩への旅』は、レオナール・フジタ(藤田嗣治)のパリ時代から中南米への旅を経て日本時代までを展観する企画。

フジタの肖像

マドレーヌ・ルクー《フジタの肖像》 1931年 メゾン=アトリエ・フジタ

「色彩の変遷にご注目ください。中南米への旅を通じて土着の自然や風俗などから獲得した鮮やかさはその後のアジア各地や日本をモティーフとした作品にも反映されていきます。また、このたび新収蔵となった“乳白色の肌”の最初期の作品《ベッドの上の裸婦と犬》もご覧いただけます」と担当学芸員の内呂博之さんは見どころを解説。

モネ

「モネ─光のなかに」展示風景。© Gottingham

同館は、国内最多の19点に及ぶモネの作品を収蔵。『モネ─光のなかに』展は、特別な展示室で《睡蓮の池》や《ルーアン大聖堂》などの代表作が鑑賞できるという試みがなされている。

ルーアン大聖堂

クロード・モネ《ルーアン大聖堂》 1892年 ポーラ美術館

「会場構成を担当した建築家の中山英之さんの提案は、戸外にカンヴァスを持ち出したモネや印象派の画家たちを包んだ自然光に近い質の光、“ひとつの大きな光”で空間を満たすというもの。試行錯誤の末、音と影が消えた特別な展示空間が生まれました。近代以前の作品を、建築家による会場構成で見られる機会はなかなかありません」と担当学芸員の鈴木幸太さん。

ほかにも見ごたえのある展覧会が4つ。カフェでのランチを挟んで、惜しみなく展示された名画の数々に触れる贅沢な一日を。

『モネ-光のなかに』『フジタ-色彩への旅』

ポーラ美術館
『フジタ─色彩への旅』
~2021年9月5日
『モネ─光のなかに』
~2022年3月30日
休館日:無休(展示替えのため9月6日~10日は休館、悪天候による臨時休館あり)
入館料:一般1800円
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460(84)2111
URL:https://www.polamuseum.or.jp
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/安藤菜穂子

『家庭画報』2021年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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