『キネマの神様』
© 2021「キネマの神様」製作委員会日本を代表する映画監督である山田洋次の新作は、1920年に開所した蒲田撮影所を起点とする松竹映画100周年を記念した『キネマの神様』。原田マハが自身の家族や経験をもとに書いた同名の小説を山田監督が映画化した。
「キネマ」とは映画の黎明期である大正時代に映画を意味するキネマトグラフを略して使われていた言葉で、多くの人が映画に対して抱いた夢や希望、思い出などが喚起される素敵な言葉だ。
本作では、このキネマに神様がいることを信じ続けた一人の男の人生が描かれている。
その名はゴウ。若い頃は映画作りに携わっていたが怪我が原因でその道を断たれ、現在はギャンブルに溺れて借金まみれの日々。そんな彼に奇跡が訪れる。
この役を菅田将暉と沢田研二が熱演。映画への愛、家族とのつながりなど、山田監督からコロナ禍で困難と向き合う人々へのメッセージが込められている。
『東京家族』
3080円 発売・販売元:松竹 © 2013「東京家族」製作委員会山田監督はこれまでに庶民の日常や家族のあり方などをリアルに描き、時代を映し出してきた。
自身の映画監督生活50周年で名匠・小津安二郎の『東京物語』にオマージュを捧げてメガホンを取った『東京家族』もその一つ。
製作当時は東日本大震災の直後で、“3.11後”の家族劇が見てとれる。
『キネマの神様』
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『東京家族』
2013年製作 146分
監督/山田洋次
脚本/山田洋次、平松恵美子
出演/橋爪 功、吉行和子
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/山下シオン
『家庭画報』2021年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。