「Collection N°5」100周年を迎えた伝説の香りへのオマージュ 最終回(全5回) 1921年に誕生以来、変わらぬ魅力を湛えている「シャネル N˚5」。100周年を祝う記念すべき今年、この名香へ捧げるハイジュエリー コレクションが発表されました。その名も「コレクション N˚5」。伝説の香りが紡いできた豊かな物語が、至高の輝きへと生まれ変わりました。
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N˚5の魂に導かれて
パトリス ルゲローシャネル ファイン ジュエリー クリエイション スタジオ ディレクター1921年に誕生した「N˚5」、そして1932年に発表されたダイヤモンド ジュエリー コレクション。伝説となった2つの革新について、パトリス ルゲローはこう語ります。
「ガブリエル シャネルは明確なビジョンを描いて香水とハイジュエリーという2つの世界にアプローチし、大胆さと卓越性を追求しました。私は、そのクリエイティブな行為を“コレクションN˚5"で再発見したかったのです」
香りという移ろう存在をジュエリーで表現するため、ルゲローはN˚5の特徴をデザインに落とし込むというアイディアを思いつきます。それがボトル、ナンバー「5」、花、ボトルストッパー、残り香という5つの要素でした。
「私は妥協せずに、この香水の力、強さ、女性らしさ、そして驚異的な豊かさを描き出そうとしたのです」
創作の過程を「香水の魂と秘密を追体験する旅」と表現したルゲロー。マドモアゼルの創造の精神にも迫る思索の旅は、多くの美しいジュエリーへと結実しました。