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甘酢をまとった心地よい食感を楽しむ、赤ずいきの小鉢料理2品

2021.08.24

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

赤ずいきの酢炒り、唐辛子炒り


甘酢をまとった心地よい食感を楽しむ、赤ずいきの小鉢料理2品
ずいき(芋茎)という野菜をご存じでしょうか。八つ頭や赤芽いも(あかめいも。別名セレベス)の葉柄(ようへい。葉と茎の間の部分)で、葉柄専用に作られたものもあります。八つ頭の茎を赤ずいき、葉柄専用に作られた蓮いもの茎を青ずいき、また、八つ頭を軟白栽培したものが料理屋でよく使う白ずいきです。

繊維質でヘルシーな食材、赤ずいき。繊維質でヘルシーな食材、赤ずいき。


赤ずいきや青ずいきはスーパーマーケットなどでもよく見かけますね。でも、皆さん使い方がわからないのか、売れ残って値引きになっています(笑)。それもあって、今回、取り上げました。特筆すべき味の特徴があるわけではないのですが、その分、他にない食感が楽しめる夏にぴったりの食材です。

流通量は赤ずいきが最も多く、皮をむいて乾燥させたものが芋がらです。水でもどして油揚げと一緒に炊くと、生とは違って歯ごたえが出て、これもおいしいものです。今日はそんな赤ずいきを取り上げます。

主な産地は石川県金沢市で、加賀の伝統野菜にも指定されています。ずいきはどれも不溶性食物繊維が豊富ですが、赤ずいきにはアントシアンも多く含まれています。皮の赤い部分が濃いほど酢で炒りつけると真っ赤に発色します。その赤い色が夏には暑苦しいと感じるならば、皮の色が薄いものを選びます。また、表面に張りがあって、茎の断面が茶色になっていないものが新鮮です。

下処理を済ませれば、今回紹介する料理法以外でも、ごま酢クリーム(「酢蓮の和えもの4種」参照)で和えてもおいしいですし、油揚げと炊くとシャクシャクした独特の歯ざわりが楽しめます。大概の酢のもの、和えものの調理法も応用できます。

それでは、今日も野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「赤ずいきの酢炒り」は、野菜料理をおいしくする7要素中3要素をクリア。

旨み 塩分 ◎甘み 油分 ◎食感 ◎香り 刺激

・ずいきはあくがあるので、酢水であく抜きしてから使う。

・食感が特徴で、味は淡泊なため、風味と味を他のもの(今回は果実酢)でつける

・「赤ずいきの唐辛子炒り」は、野菜料理をおいしくする7要素中6要素をクリア。

旨み ◎塩分 ◎甘み ◎油分 ◎食感 ◎香り ◎刺激

・旨みが薄い食材なので、油分と刺激も加えて味を構成してもよい。








「赤ずいきの酢炒り(左)」


【材料(3人分)】
・赤ずいき 1本

・果実酢(市販品の甘めのもの 飲む果実酢など) 90cc

・いりごま(市販品のいりごまを軽くいり直す) 小さじ1.5

【作り方】
1.ずいきは何層かに巻いている茎をはがす。その後、皮を包丁の刃と親指でつまむようにして引っぱりながらむいていく。

2.1cm×1cm×3.5cmくらいに切り、酢水(材料外)に入れて10分ほどあく抜きをする。

3.ざるに上げて水をきる。鍋またはフライパンにずいきを入れて強火にかけ、熱くなってきたら果実酢を加える。今回は市販品の飲むりんご酢を使用したが、甘めの他の果実酢でもよい。

4.強火で一気にずいきに酢を絡めていく。汁気がなくなってきたら火から下ろし、バットなどに広げて冷ます。日持ちするのでまとめて作ってもよい。器に盛りつけ、いりごまをふりかける。

「赤ずいきの唐辛子炒り(右)」


【材料(3人分)】
・赤ずいき 1本

・甘酢 60cc
昆布出汁(水1L昆布10g)450cc、酢300cc、砂糖100g

・酢 30cc

・濃口醤油 少々

・赤唐辛子 少々

・サラダ油 少々

【作り方】
1.下処理は赤ずいきの酢炒り(プロセス1、2)と同じ。

2.酢水につけてあく抜きしたずいきをざるに上げる。フライパンを火にかけて少量の油をひき、輪切りにした赤唐辛子を加える。

3.ずいきを入れ、甘酢と酢を加え、強火で一気に絡めていく。途中で数滴、濃口醤油を加え、汁気がなくなってきたら火から下ろし、バットなどに広げて冷ます。熱いままで供してもよい。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時~14時 (夜)17時30分~23時 ※土曜日のみ17時~
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
表文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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