「世の中の潮流がめまぐるしく変化する現代だからこそ、瞑想や祈りなど、自己の内面に目を向ける時間が大切です」と話すのは、1900年の創業以来、常にその時代に見合う祈りのかたちを提案してきた会津若松の仏壇・仏具・位牌の専門メーカー「アルテマイスター」の保志康徳社長。『家庭画報』2020年11月号に続き、今回は同社が世に提唱する「新しい祈りのかたち」のアプローチとして、現代の空間に合うデザイン仏壇、自然の恵みを活かす国産漆再生の取り組み(本記事)、そして
仏壇リメイク物語(9月2日)の3つをご紹介します。
巨匠・内田 繁(インテリアデザイナー)によるデザイン仏壇「白虹(はっこう)墨黒」
インテリアデザイン界の第一人者、内田 繁の哲学が細部にまで結実したデザイン仏壇。本尊を神々しい光で包む金箔仕上げの内部が、荘厳さを感じさせる。シンプルなフォルムはモダンな住空間と見事に調和。これが現代の仏壇の新しいスタンダード。
「白虹A型フロアタイプ 墨黒」(サイズは下の「漆仕上げ」と同じ)165万円 仏像 (以下makoto霞金の)リンセット、香炉、花立、茶湯器、仏飯器/すべてアルテマイスター仏壇の新しいスタンダード「白虹(はっこう)」に、稀少な国産の
“漆仕上げ”が登場
(高さ125×幅47×奥行き42センチ 栓 内金仕上げ)396万円 仏像 makoto霞金のリンセット (以下精粋の)前香炉、線香差、花立/すべてアルテマイスター
国産漆塗りの「白虹A型フロアタイプ」新登場生前、「よいものづくりは、よい職人に支えられている」と語った内田 繁。2013年に誕生した「白虹」シリーズは、その言葉どおり「アルテマイスター」の職人たちとの協業の賜物であった。
「白虹A型フロアタイプ漆仕上げ」では、表面の仕上げに「アルテマイスター」が会津の森に植林した漆の木から採取した漆が使われている。1本の漆の木からとれる漆汁は年間約200グラム。その貴重な漆を使用した「白虹」は、自然素材ならではの深みと味わいが魅力である。