互いの美を引き立て合うブラウンとホワイトのダイヤモンド
深みのあるブラウンと濁りのないホワイトが織り成す美しいコントラストが印象的。濃いうえに、圧倒的な透明感がある――。計算し尽くされたダイヤモンドの強い輝きが、ブランドの矜持を感じさせます。ネックレス(WG×ブラウンダイヤモンド計35.11ct×ダイヤモンド計20.73ct)4950万円 ピアス(WG×ブラウンダイヤモンド計6.38ct×ダイヤモンド計3.83ct)550万円/ともにカシケイ ●お問い合わせ/日本橋三越本店 本館6階ジュエリーギャラリー(カシケイ) TEL:03(3274)8828茶色の渋い美しさを世に知らしめた偉業
解説/山口 遼(宝石史研究家)
カラーダイヤモンドの人気が高いことは、これまで再三にわたってご紹介してきました。最も希少な赤から始まり、ブルー、グリーン、ピンク、イエローと様々ですが、日本以外の国ではカラーダイヤモンドとして扱われず、日本で最初にその美しさが認められたカラーがブラウンです。
ブラウンダイヤモンドを開発したのは、「カシケイ」です。このブラウンとホワイトのダイヤモンドを組み合わせたジュエリーをご覧ください。
同じブラウンでも、これよりも少しでも茶が濃くなるともうダメで、工業用のダイヤモンドになってしまいます。そのギリギリの色合いのもので、濃く、透明感のある良質のものだけを選んだところがミソです。
もともと西欧では茶色という色はあまり人気がなく、日本人だけがこの色の渋い美しさを認めてきました。例えば茶のつく色名だけでも、枯茶、桑茶、江戸茶、赤茶、雀茶など、20近く。その微妙な違いを愛してきたのが日本人なのです。
そこに目をつけたのはさすがです。茶色だけでくどくならないように、ホワイトのダイヤモンドを組み合わせることで、茶と白の対比の美しさを作り出しています。しかも、この色は日本人の肌の色によく合います。
「渋い」という言葉は今では外国でも通用するようですが、この渋い色のジュエリーも、やがて海外で模倣が出ることでしょう。近年の日本のジュエリーの傑作は、見事というしかありません。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2021年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。