素材本来の味や香りを大事にする京都の和食に淡口醤油は欠かせない調味料です。
家庭ごとの好みがあるので醤油を人に薦めることはあまりしないという料理研究家の大原千鶴さんですが、「龍野乃刻(たつののとき)」は違います。
「淡口醤油の本当のおいしさや関西の味に親しんでいただきたいときに手土産にするお醤油です。まろやかな旨味と華やかな香りがあり、料理やだしがすっきりと仕上がります」
炊飯器に米1合、押し麦大さじ1と表示の水量に大さじ1の水を加えて炊いた麦飯に龍野乃刻を用いた山芋とろろ、卵黄醤油漬けをトッピング。卵黄は3時間を目安に醤油に漬ける。ご紹介した「麦飯とろろ」は、龍野乃刻をすりおろした山芋、だしと混ぜ合わせ、さらに卵黄の醤油漬けにも用います。
「味が引きしまるので、仕上げにかけてもいいですよ。繊細な素材の旨味や色を引き立たせ、白身魚や鶏肉、豚肉にも合います」
一年に一度だけの限定醸造淡口醤油「龍野乃刻」。1本ずつ箱入り。予約受付は6月1日~10月末、お届けは11月上旬~。数に限りあり。310ml×2本入り1836円/ヒガシマル醤油(通販限定)播磨産の原料を春に仕込んで秋に搾る、伝統製法から生まれた逸品。今年だけの味わいが秋の味覚をいっそうおいしくしてくれます。
大原千鶴(おおはら・ちづる)さん
しなやかな感性で作る簡単で季節感のある家庭料理が人気。テレビの料理番組やドラマの料理監修、講演など幅広く活躍。近著に世界文化社刊『大原千鶴の「新・豆腐百珍」』がある。 表示価格はすべて税込みです。
撮影/内藤貞保 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。