ストイックに役と向き合う姿が印象的な佐藤 健さんと清原果耶さん
笘篠が追うのは、東日本大震災から10年目の仙台で起きた殺人事件。人格者、善人と慕われる人物が相次いで縛られたまま放置され、餓死させられるという不可解な殺人事件の容疑者として浮かび上がったのは、利根泰久という男で……。利根を演じたのは、佐藤 健さん。その佐藤さんと、一人目の被害者・三雲(永山瑛太)の部下・円山幹子役の清原果耶さんについて、「本当に難しい役に没頭されていて。現場でストイックに役と向き合っている姿が非常に印象的」だと言う阿部さん。
「佐藤くんの場合は、ずっと役のまま現場に居通していましたね。清原さんも、まだ10代なんですけど、役に対する信念を持っていて。現場は、監督をはじめ、大人たちが多い。でも、きっちりと自分の意見を言っていました。非常に集中している現場でした」
佐藤さんが演じる利根と清原さんが演じる円山。その2人を「見守るような、そんな役作りをしていきたいと思いました」と言う阿部さんに、実はとても大変なカットが。予告でも観られる、笘篠と部下の蓮田(林 遣都)が利根を追いかける場面です。「俳優人生の中で一番走った撮影でした。しかも(本番が)1回では終わらず、2日に分けて。朝から日が暮れるまでずっと3人で走っていましたね。そこから半年間、足の筋がおかしかったです(笑)」というシーン、ぜひお見逃しなく。
利根を追いかける場面は、土砂降りの中で撮られたそうで、阿部さんたちは全身ずぶ濡れになりながら何度も繰り返し走ったという。