向かって右:長澤まさみ/Masami Nagasawa 俳優。1987年、静岡県出身。2000年に映画『クロスファイア』でデビュー。映画、テレビドラマを中心に活躍。2011年に『クレイジーハニー』で初舞台。ヒロインを務める映画『マスカレード・ナイト』が9月17日より公開。――これまで日本を含む10か国で上演なさっていますが、野田さんにとって『THE BEE』はどういう作品ですか?野田:一つの高い水準というのかな。『THE BEE』をやって以降、自分が今度作った作品は『THE BEE』のクオリティに達しているだろうか?って毎回考えるんですよ。もちろん、無駄があることも芝居の面白さとしてあるんだけれども、『THE BEE』には無駄がないんだよね。平凡な人間が前段もなく酷い状況に置かれて、ジェットコースターみたいに落ちていく。緊張感とかそんなものも含めた一つの世界のクオリティとして、『THE BEE』のところまで達していたいという思いは、いつもあります。短い作品だけど、自分の中では大切な作品かな。
阿部:すごいスピード感がありますもんね。特に最初のほうは展開が速くて、役もどんどん変わっていく感じで。長澤さんもリポーターになったりするでしょ?
長澤:そうなんです。二役やるのは初めてなので、それを舞台でどういうふうにやっていくんだろう?と思っていて。
阿部:少人数の芝居ならではの面白さが味わえそう。俺は井戸一役だけど(笑)。演出だけやる野田さんの前で、野田さんがやっていた役を演じる怖さもありますけど、稽古が楽しみです。
野田:後から気づいたんだけど、NODA・MAPの公演に自分が役者として出ないのは、今回が初めてなんだよ。演出に徹しようと思ったのは、前よりちょっと演出に自信が出てきたからかな。今までと違って、「出演もしているから、なかなか全部見られなくて」なんて言い訳はできない(笑)。頼むよ、2人とも。
長澤:私は、初めて野田さん演出の作品に出ることができるので、その初めてを楽しめたらなと思います。人数が少ない分、野田さんを“4人占め”できる贅沢な時間になるんじゃないかなと思います。
NODA・MAP番外公演『THE BEE』
2021年11月1日~12月12日/東京芸術劇場 シアターイースト ※10月24日よりチケット一般発売 S席/9000円 U25席/5500円 高校生割引チケットもあり 12月16日~26日/大阪・ナレッジシアター ※12月5日よりチケット一般発売 S席/9500円 U25席/5500円 お問い合わせ/NODA・MAP 電話03-6802-6681
演出/野田秀樹 原作/筒井康隆『毟りあい』(新潮社)より 共同脚本/野田秀樹&コリン・ティーバン
出演/阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英
https://www.nodamap.com/