癒やしの絶景美術館 第9回(全12回) 心非日常感を味わいながら、心を癒やし、明日への活力をチャージする場所として美術館を楽しんでいるかたも多いことでしょう。展示作品はもちろんのこと、そのロケーションや建物も一体となってアートを堪能でき、心癒やされる美術館を全国各地で探しました。
前回の記事はこちら>> [神奈川・川崎]川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
大人も子どももときめく。懐かしのマンガの世界に癒やされる
マンガのキャラクターを愛でるテーマパークではなく、作者の生き方や活躍の足跡、制作活動への情熱までも手に取るようにわかるミュージアムにご案内。作品の世界観を再現する展示には、思わず童心に戻り、時間を忘れて癒やされます。
世代を超えて愛されるドラえもんに会いに行く
訪ねる人 関根 勤さん・関根麻里さん関根 勤さん(せきね・つとむ)1953年東京都生まれ。テレビ番組『ぎんざNOW!』の素人コメディアン道場で初代チャンピオンとなり芸能界入り。バラエティ番組を中心にテレビ、ラジオ、CM、舞台などで活躍中。関根 麻里さん(せきね・まり)1984年東京都生まれ。アメリカのエマーソン大学卒業後、タレント活動を開始。外国人アーティストのインタビューなど、堪能な英語力を生かした仕事も多い。2014年に結婚、2児の母。誕生50年、不朽の名作のすべてがわかる
展示室Ⅰでは『ドラえもん』の原画や掲載誌、アニメの資料などを展示中。マンガができるまでを3D映像で紹介したコーナーも興味深い。壁にはパイプをくゆらす作者の横顔が。今や「MANGA」という言葉が海外で通用するほど、世界で高い評価を得ている日本のマンガ。そのパイオニアといえるのが、未来から来たネコ型ロボットが主役の『ドラえもん』でしょう。国も世代も超えて愛され続け、2020年に誕生50年を迎えました。
「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」は、『ドラえもん』をはじめとする藤子・F・不二雄(本名・藤本 弘。1933~96年)の作品世界に心ゆくまで浸れる美術館。貴重な原画が数多く見られる展示室や、ミュージアム限定のアニメが観られるシアター、人気のキャラクターたちと会える広場「はらっぱ」など、大人も子どもも楽しめる充実の内容です。
この日初来館した関根 勤さん、麻里さん親子は、藤子・F・不二雄マンガの大ファン。
野比(のび)家の模型に興味津々のお二人。※実際の鑑賞は展示ロープ越しになります。麻里さんは、「館内の案内サインがしずかちゃんのシルエットだったり、細部までかわいくてワクワクしました。マンガで見ていた土管に座れて幸せです」と満面の笑顔。
「マンガが読めるコーナーをのぞいたら、知らない作品が結構あって。先生の奥深さに感じ入りました」とは勤さん。仲よし親子の会話が弾みました。
藤子・F・不二雄が他界した年にスタッフへ送った手紙。終生変わらなかった仕事へのストイックな姿勢と思いやり深い人柄が滲む。愛用の机を中心に再現された「先生の部屋」。仕事のBGMは大音響のクラシック音楽か落語だった。頭上の本棚に並ぶ約1万点の本は大半がマンガの資料。子どもたちに正しい情報を伝えるため、常に最新の情報を確認していた。 Information
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1
- ●2022年6月30日(予定)まで「開館10周年記念原画展」を開催中。
各美術館の開館時間、休館日、展示期間、展示内容等は変更になる場合がございます。お出かけ前に美術館の公式ホームページ等をご確認ください。 撮影/大泉省吾 取材・文/清水千佳子 スタイリング/高野いせこ(勤さん)、繁田美千穂(麻里さん) ヘア&メイク/吉野美沙子(勤さん)、上野由可里(麻里さん)
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。