〔連載〕「MY LIFE――素敵な暮らし、私の場合」 第4回 家庭画報ドットコムのユーザーの皆さんに、暮らしを豊かにしてくれる「モノ、コト、体験」をインタビュー。今回は「わたしの“価値ある投資”」をテーマに、パールジュエリーデザイナー佐伯ようこさんにお話を伺います。
連載一覧はこちら>> Q.あなたにとっての“価値ある投資”は?
A.装いを楽しむこと。ファッションは自信を与え、背中を押してくれます。
ご自身のブランド「グランマズパール」で、パールアクセサリーのデザインから販売まですべてを手がける佐伯ようこさん。お仕事をする上でパワーを与えてくれること・ものはいくつもありますが、“コウジアトリエ”の「お洋服」もそのひとつ。
佐伯ようこさん
1973年東京生まれ。専業主婦ののち、パールジュエリーデザイナーに。2015年「GRANDMA'S PEARL(グランマズパール)」起業。お客さまのスタイルに寄り添うビスポーク・パール・ジュエラーを目指す。写真はお気に入りの白いジョーゼットのワンピースに、パールをあえてシンプルに合わせて。https://grandmaspearl.jp/信頼のブランドで、エレガントな“勝負”服を
「6年前にこのブランドを起こしたとき、デザイナーの渡辺さんと懇意だった母からファッションショーに誘われたのがきっかけでした。やはり、パールという上質な素材を扱う以上、上質なものを身につけたいと思っていましたし、ずっと憧れていたブランドだったので意を決して(笑)一歩踏み出しました」。
年に数回あるジュエリーの展示会など、ここぞ!というときに、銀座のアトリエに足を運び、おすすめの中からセレクト。サイズや形を丁寧に調整してくださるので、身にまとったときの心地よさは格別です。
「ビジネスシーンでお客さまにお会いするときに、自信を与え、気持ちを奮い立たせてくれる大切なアイテム。もちろん“グランマズパール”のアクセサリーも素敵に映えます。サイズ直しやリメイクもお願いできるので、流行に流されることもなく、ずっと着続けられるところも魅力ですね」。
身にまとうと華やかな気持ちになる、というのは佐伯さんが作られるパールのアクセサリーにも共通すること。コウジアトリエの洋服を通じて感じられたときめきも、ご自身の作品に投影されているのかもしれません。
「コウジアトリエ」の華やかなワンピースをまとって。洋服に合わせて、バッグや靴も新調してコーディネートするのも楽しみのひとつ。今回は、お祖母さまから譲られたバッグとともに。おしゃれだった祖母に憧れて
「パールはデイリーに楽しんでこそ」と自らも常にパールのアクセサリーをまとう佐伯さん。そもそも、佐伯さんとパールを繋いでくれたのは、今は亡き大正生まれのお祖母さまでした。
「祖母は宝石関係の仕事をしていたので、幼い頃から私にとってジュエリーやパールはごく身近な存在でした。祖母はパールの買い付けや販売に携わり、頻繁に香港と日本を行き来していたものです。最初にパールの編み方を教えてくれたのも祖母。母も彫金をするので、自分の手でアクセサリーを作り出すのは当たり前と思っていたのかもしれませんね」
ご実家のアトリエにはお母さまの彫金の作品も。佐伯さん自身も数年前から彫金を始め、パールアクセサリーの世界を広げています。ジュエリーやパールに携わる仕事柄から、お祖母さまは驚くほどのおしゃれさんだったとか。「時間が空いたら、百貨店へ車を飛ばしてショッピング。仕事で香港に行っても、ブランドもののチェックは欠かさなかったみたいです(笑)。なにより、カルティエのリングをピンキーリングにしていたのが印象的でした」
お祖母さまが亡くなられたあと、お部屋に残されていたのは、きちんと手入れをされたたくさんの靴やバッグ。ランバンのストッキングのソワレがきれいにたたまれて箪笥に収まっていたのを見つけたときは、佐伯さんも心の底からきゅんとしてしまったそう。
「日傘は洋服に合わせて替えよう、ローヒールを素敵に履こう――。祖母の姿はかっこよく、本当に憧れでした。祖母からもらったエッセンスが、今の私の仕事に生かされていることは間違いありません」
お祖母さまのバッグコレクションから。「小ぶりなタイプが好きだったみたいですね」。シャネル、ボッテガヴェネタほか、グッチやフェラガモ、フェンディもご愛用でした。宝石商として多忙だったお祖母さまはローヒールのシューズがお決まり。今は佐伯さんが受け継いでいます。