癒やしの絶景美術館 第11回(全12回) 非日常感を味わいながら、心を癒やし、明日への活力をチャージする場所として美術館を楽しんでいるかたも多いことでしょう。展示作品はもちろんのこと、そのロケーションや建物も一体となってアートを堪能でき、心癒やされる美術館を全国各地で探しました。
前回の記事はこちら>> [東京・南長崎]豊島区立トキワ荘マンガミュージアム
石ノ森章太郎のアシスタント部屋を復元した18号室。山内ジョージがここに暮らし、制作を支えた。大人も子どももときめく。懐かしのマンガの世界に癒やされる
マンガのキャラクターを愛でるテーマパークではなく、作者の生き方や活躍の足跡、制作活動への情熱までも手に取るようにわかるミュージアムにご案内。作品の世界観を再現する展示には、思わず童心に戻り、時間を忘れて癒やされます。
マンガの巨匠たちが集い暮らした伝説のアパートがここに
手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子不二雄(A)、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫……。漫画界のレジェンドが若き日に住まい、切磋琢磨を重ねたアパート「トキワ荘」。
藤子不二雄(A)さんの『まんが道』、市川 準監督の映画『トキワ荘の青春』など数々の作品の舞台にもなり、その存在はマンガファンのみならず、広く知れ渡る存在です。
木造モルタル建ての昭和のアパートに見せつつも、現在の博物館や建築基準法を満たした鉄筋造り。アパートは1982年に解体されましたが、世界に誇る文化「マンガ」の礎を築いた場所であることを大事に遺し、発信したいという地元住民の熱意が実を結び、2020年夏、跡地から300メートルほど離れた南長崎花咲公園内にミュージアムが開館しました。
往時を知る人々からのヒアリング、写真や文献をもとに細部まで考証が重ねられ、漫画家たちが住んだ1950~60年代の様子が見事に復元。特に2階に公開されている生活感たっぷりの居住空間は、漫画家たちの息遣いを感じながら、さりげなく置かれた生活用品や本、旧型テレビから流れる映像にも心が惹きつけられます。
マンガラウンジにはゆかりのマンガ作品がずらり。1階ではゆかりの漫画家や作品に関連した企画展を随時開催。ミュージアムの開館はゴールではなくスタートとし、マンガ文化の継承・発展を目指してアクティブな発信を続けています。
下のフォトギャラリーから詳しくご覧ください。 Information
豊島区立トキワ荘マンガミュージアム
東京都豊島区南長崎3-9-22 南長崎花咲公園内
入園料 | 特別企画展期間は有料 |
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TEL | 03(6912)7706 |
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営業時間 | 10時~18時(最終入館17時30分) 予約優先 |
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定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日振替)、年末年始、展示替え期間 |
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- ●2021年9月18日から特別企画展「トキワ荘の少女マンガ」を開催中。
各美術館の開館時間、休館日、展示期間、展示内容等は変更になる場合がございます。お出かけ前に美術館の公式ホームページ等をご確認ください。 撮影/大泉省吾
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。