今様の仏壇・仏具・仏事の基本 第3回(全8回) 生活スタイルの変化とともに新しい仏壇のイメージが求められている今、故人を供養するという意味を正しく知ることが大切です。ここでは今春、東京・広尾に誕生した都市型納骨堂「南麻布 了聞(りょうもん)」の僧侶、福井威人上人に詳しく教えていただきました。
前回の記事はこちら>> 仏壇はどこに置くのがよいですか?
日常的に拝礼を行う仏壇は、床の間や客間、あるいは普段から家族が集まるリビングに置くのがおすすめです。
向きについては、仏教では仏様はどの方角にもおられるとの考えから厳格な決まりはありません。
ただ、宗派によっては特定の向きを推奨している場合もあるようです。
浄土宗では、一般的に仏壇を東に向けて置く(東面西座)と極楽浄土の方向である西に向かって手を合わせられるのでよいとされていますが、家の間取りによってはそれが難しい場合もあると思います。
そうであっても、落胆する必要はありません。浄土宗には「以信転方(いしんてんぼう)」という言葉があり、ご本尊である阿弥陀様をお祀りした方角を西方と見なします。
方角よりも大切なのは、ご本尊やご先祖に心を向けて拝礼することです。
瑞華院(ずいけいん) 福井威人上人
東京・南麻布にある浄土宗の寺院、瑞華院僧侶。同寺院が運営する全室個室の都市型納骨堂「南麻布 了聞」では、館内の本堂(写真上)において朝夕のお勤めや日中の追善供養などを行う。「多くのかたが足を運んでいただける街に開かれた納骨堂でありたいとの思いから、『南麻布 了聞』では宗教・宗派を問わずに法要・供養を行っています」と福井上人。広尾駅から徒歩約3分という至便な立地と本物志向の空間が注目を集めている。 撮影/本誌・西山 航 取材・文/冨部志保子
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。