テーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた
横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。“生活の中に、美が息づく”そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
LESSON14
初春のテーブルセッティングは個重スタイルで
家族で静かに年を越し、新しい年を迎え清々しい気持ちで過ごすお正月。横瀬多美保さんは、ゆっくりと過ごせる休暇の間に、親しい友人夫妻を家に招きました。さりげなく祝いの心を込める初春のテーブルセッティングと、小さな個重を使ったおもてなしを提案します。
これからどんなセッティングをするか考えながら、収納棚から食器類を出してゆく楽しいひととき。Tips1
あらたまった気持ちになる白いテーブルクロス
おもてなしの日、多美保さんは上品な光沢感があるリネンのテーブルクロスを選びました。
「テーブルクロスは白に近い色ほどフォーマル感が増します。普段白いクロスを使うことは少ないのですが、お正月は特別。シャンパンホワイトのクロスで一年をスタートします」。新年に白いクロスを使うというのは、実は幼少期の記憶と繋がっているのだそう。
「毎年、祖父母の家を訪れていたのですが、お正月には、応接間の大きな漆塗りの座卓の上にぴしっとプレスされた白いレースのクロスが掛けられていました。その上に蒔絵のお重や、祖母が作った太巻きやビーフカツといったご馳走が並んでいて、いつもと違うセッティングに子どもながらにあらたまった雰囲気を感じていたんです」。
多美保さんはテーブルクロスに丁寧にアイロンをかけながら思い出を話してくださいました。時は流れてもお祖母さまの美意識はしっかりと受け継がれ、多美保さんはお正月を迎える度にダイニングテーブルに白いテーブルクロスを広げます。