今様の仏壇・仏具・仏事の基本 第4回(全8回) 生活スタイルの変化とともに新しい仏壇のイメージが求められている今、故人を供養するという意味を正しく知ることが大切です。ここでは今春、東京・広尾に誕生した都市型納骨堂「南麻布 了聞(りょうもん)」の僧侶、福井威人上人に詳しく教えていただきました。
前回の記事はこちら>> ご本尊について教えてください
信仰の対象となる仏様を指し、浄土宗の場合は阿弥陀様です。まだご本尊をお祀りされていない場合は、ぜひお迎えください。
阿弥陀様には彫刻と仏画の2種類があり、さらに坐像と立像に分けられます。
坐像は極楽浄土で私たちをお待ちになっているお姿、立像は極楽浄土から私たちを救いに来てくださるお姿をかたどっています。
阿弥陀様を中心に、向かって右に善導大師(中国・唐代に念仏を広めた高僧)、左に法然上人、場所に余裕がある場合は善導大師の左に観音菩薩を、法然上人の右に勢至(せいし)菩薩をお祀りしましょう。
宗派やお寺でご本尊は異なりますから、菩提寺に確認するとよいでしょう。
各宗派の主な本尊を知る
仏教の信仰の対象となる本尊は、教えの中心にあるものとして寺院や仏壇に祀られる。そのため、人が仏壇に向かうときは本尊を通して先祖と向き合い、感謝の気持ちを伝えることとなる。
本尊を象徴するものには仏像と掛軸があり、宗派によっては宗教的絵画や書の場合もある。各宗派や寺院、家によって本尊は異なるため、菩提寺に確認を。
瑞華院(ずいけいん) 福井威人上人
東京・南麻布にある浄土宗の寺院、瑞華院僧侶。同寺院が運営する全室個室の都市型納骨堂「南麻布 了聞」では、館内の本堂(写真上)において朝夕のお勤めや日中の追善供養などを行う。「多くのかたが足を運んでいただける街に開かれた納骨堂でありたいとの思いから、『南麻布 了聞』では宗教・宗派を問わずに法要・供養を行っています」と福井上人。広尾駅から徒歩約3分という至便な立地と本物志向の空間が注目を集めている。 撮影/本誌・西山 航 取材・文/冨部志保子
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。