“きのこの伝道師”、山岡昌治シェフにきのこの料理のコツを伺いました。
テーブルクロス/アレクサンドル・チュルポー(麻平)近年、栽培きのこの種類がずいぶんと増えました。豊かな風味、密な食感をめざす改良も盛んです。安定した品質も魅力。ご家庭でも大いに活用していただきたい素材です。
きのこはヘルシーさ、栄養価の高さで注目されていますし、変化に富む見た目や食感にも惹かれます。
ただし、やはり最大の魅力は風味とうまみ。これらをどう凝縮させるか、あるいは引き出すかが調理のポイントとなります。
凝縮させる方法は、水分を除くこと。たとえばソテーでは動かさずにじっくりと時間をかけて加熱し、水分をとばします。
一方、きのこから風味を引き出す代表的な方法は、ブイヨンなどで煮ること。ここでは、きのこのエキスが最も引き出される50〜60度の温度帯となる時間を長くとることが大事になります。
このように、きのこ料理のコツは意外とシンプルです。きのこの性質を理解したうえで調理すれば、ワンランク上の風味に仕上がるはず。ぜひ挑戦してみてください。
山岡昌治(やまおか・しょうじ)さんフランス料理「レストラン マッシュルーム」のオーナーシェフ。愛媛県松山市生まれ。27歳でフランスに渡り、約5年間料理の修業をする。帰国後、フレンチレストラン勤務を経て1993年東京・恵比寿に自店を開業。フランス滞在中に自然の偉大さ、特に未知のきのこワールドに魅せられ、休日は日本の山野を歩き回る。「レストラン マッシュルーム」東京都渋谷区恵比寿西1-16-3 ゼネラルビル恵比寿西101
TEL:03(5489)1346
〔特集〕きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う きのこフレンチ ア・ラ・カルト(全17回)
料理/山岡昌治 撮影/角田 進 取材・文/柴田 泉
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。