きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う、きのこフレンチ ア・ラ・カルト 第4回(全17回) 秋冬になると食卓を飾る機会が多くなるきのこ。その使い方に精通する山岡昌治シェフに、コース仕立てできのこの料理を教わりました。今回使うのは、手に入りやすい栽培のもの。使い慣れたきのこの新しくて豊かな世界を紹介します。
前回の記事はこちら>> 【きのこのソテー】
少しずつ油を加えながら焼き色がつくまで動かさない!
プレート/アトリエジュンコ テーブルクロス/アレクサンドル・チュルポー(麻平)「ソテー」は「炒める」と同じと思う人もいるかもしれませんが、実際は大きく異なります。ソテーのポイントは、水分を抜き味を凝縮させながら焼き色をつけること。
フライパンにはきのこを重ねずに並べ、そして動かしたり混ぜたりせず、時間をかけてきのこを加熱。水分をじっくりとばしながら火を入れます。
きのこは油を吸いやすいので、最初に多量の油を入れず、少しずつ加えることも大切です。最小限の油で、軽やかなソテーをめざします。
きのこのソテーのレシピ
■材料(4人分)・きのこ(エリンギ、しいたけ 、たもぎたけ、ときいろひらたけ、本しめじ、あらげきくらげ、舞茸、ひらたけ)...合計600グラム
・ピーナッツオイル...適量
・バター...20グラム
・にんにくみじん切りのオリーブオイル煮※...適量
・エシャロット(みじん切り)...適量
・パセリ(みじん切り)...適量
・塩、白こしょう...各適量
※みじん切りのにんにくをオリーブオイルで、色づかない火加減で煮たもの。そのまま冷まして保管する
■作り方(1)きのこを手で割いて(形を生かしたい場合はナイフで切る)一〜二口大とする。
最初の油は少量で! 焼き色がつくまでそっと待つ(2)フライパンで少量のピーナッツオイルを温め、きのこを重ならないように入れ、そのまま強めの弱火で5分間ほどじっくりと焼く(混ぜない)。
油分がなくなったら、その都度適宜きのこにかける(3)フライパンに接した面に焼き色がついたらひっくり返し、同様に色づくまで焼く。なお、(2)〜(3)の間、フライパンから油分がなくなったら適宜ピーナッツオイルをきのこにかける。
きのこに火が通ったら塩をし、香りづけは最後にサッと全体にコーティング(4)充分に焼き色がついたら軽めに塩をふる。
(5)バターを加えて強火にし、全体にからめる。
(6)にんにくみじん切りのオリーブオイル煮、そのオイル、エシャロット、パセリ、白こしょうを加えて全体にからめる。
〔教えてくださったのはこの方〕
山岡昌治(やまおか・しょうじ)さんフランス料理「レストラン マッシュルーム」のオーナーシェフ。愛媛県松山市生まれ。27歳でフランスに渡り、約5年間料理の修業をする。帰国後、フレンチレストラン勤務を経て1993年東京・恵比寿に自店を開業。フランス滞在中に自然の偉大さ、特に未知のきのこワールドに魅せられ、休日は日本の山野を歩き回る。「レストラン マッシュルーム」東京都渋谷区恵比寿西1-16-3 ゼネラルビル恵比寿西101
TEL:03(5489)1346
〔特集〕きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う きのこフレンチ ア・ラ・カルト(全17回)
料理/山岡昌治 撮影/角田 進 取材・文/柴田 泉
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。