幸福長寿に導く5つの活 第3回(全16回) 「幸福長寿」の決め手は、健康寿命をいかに延ばせるかということ。そして、それは自分でも心身の衰えを感じるようになった今からの生活の過ごし方とも深くつながっています。“現在の私と未来の私”のためのセルフメンテナンス法をご紹介します。
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東洋医学の達人に教わる「冷え」対策 決定版!体を芯から温めて老化を防ぐ
1.入浴
全身浴とストレッチで、冷え知らずの体に
〔お話ししてくれたのはこの方〕
伊藤 剛先生北里大学 東洋医学総合研究所 客員教授。国内初の「冷え症外来」を担当し、この分野の研究と治療の第一人者。また、漢方と鍼灸並びに自律神経に造詣が深く、冷えを予防するための生活指導にも力を注ぐ。「冷え症の改善には、体が芯から温まる全身浴が一番です」と伊藤 剛先生。入浴中に背中と足先をストレッチすれば、全身のむくみが軽くなり、首や肩のこりも和らぎます。さらに、足の冷えが解消し、湯冷めもしにくいと、まさにいいことずくめ。
伊藤先生直伝の入浴法は下欄のとおり。
お湯の温度は人が最も心地よいと感じる40度〜42度にするのがポイントです。「トータルで10分以内にしましょう。これ以上の長風呂は動悸やめまい、発汗、入浴後の血圧低下を招いてしまうおそれが高くなります」(伊藤先生)。
ストレッチ入浴の仕方
(1)体を斜めにして首は浴槽の縁にのせ、首までしっかり浸かり、ゆっくりと肩と首を温める。
(2)2分ほど経って肩と首が温まってきたら、肩と両ひじを背中側の浴槽の壁につけ、首を上げる。胸を張るように腕を後ろに引き、左右の肩甲骨を寄せるように思いっきり背筋を伸ばす。(このとき背骨に歪みがある場合は矯正されてまっすぐになり、呼吸と心臓の動きが楽になる)。この動きを2回繰り返す。
(3)体を垂直に起こし、あぐらをかく。このとき、肩や胸は湯から出ていてもかまわない。両手で足先を持ち、自分のほうに足先をグッと折り曲げたまま、5秒間キープする。
(4)足先からパッと手を離し、20秒ほど脚を伸ばす。※(3)~(4)の動きを2〜3セット繰り返す。その後はリラックスしながら1分ほど湯に浸かり、10分以内に風呂から出る。