2.薬膳茶
更年期症状の冷えを、穏やかに改善
中医学で更年期は“肝腎陰虚証(かんじんいんきょしょう)”といわれる状態で肝と腎が衰え始めます。すると、体を潤す物質が足りない状態となり、喉が渇く、ほてる、のぼせるなどの症状が顕著に。また、代謝と循環も緩慢になるため、瘀血(《おけつ》血液の流れが悪くなっている状態)や水滞(水分代謝が悪く、余分な水が停滞している状態)が生じやすくなり、これらが原因で冷えを呼び込むのです。
「体内に熱がこもると冷たいものを摂りたくなりますが、消化器系を冷やさないよう温め作用のある薬膳茶を飲むといいですよ」と大田ゆう子先生。
更年期症状による冷えを和らげてくれる薬膳茶のレシピを教えていただきました。体の声に耳を澄まし、自分の症状に合った薬膳茶をぜひ試してみてください。
〔お話ししてくれたのはこの方〕
大田ゆう子先生国際中医師・国際中医薬膳師。中国伝統医学に基づく「洗足薬膳お料理教室」を主宰し、「聘珍樓」の薬膳顧問も務める。薬膳セミナー講師や薬膳メニュー監修も数多く手がけ、身体に響くおいしい薬膳を伝える。更年期症状の冷えを癒やす薬膳茶
(1)プーアル茶+生姜下半身の冷え、むくみにおなかを温める発酵茶と利水効果の高い皮つき生姜を
(2)葛湯+プルーン+いちご全身に冷えを感じるときに、血液を増やすプルーンを代謝活性の葛湯で
(3)黒糖+豆乳チャイ血液が滞り顔色が冴えず冷えるときに、活血効果の黒糖を
(4)葛湯+緑茶+さくらんぼ+カシューナッツ冷えのぼせ、イライラに香りのよい緑茶で気巡りを
(5)温かいココアアーモンドミルク+桃のピュレ肩こりや顔のくすみに、活血効果のある桃とカカオ、クランベリーを
材料と作り方は、下の写真を左右にスクロールしてご覧ください。 取材・文/渡辺千鶴 撮影/池田保 イラスト/浜野史
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。