タサン志麻(タサン・しま)日本の調理師学校と同校のフランス校を卒業後、現地のミシュラン3つ星店での研修を経て都内フランス料理店で15年間働く。2015年フリーランスの「家政婦」として独立。確かな技術と柔軟な発想で作る料理が評判を呼び、「伝説の家政婦」に。フランス人の夫、2人の息子、2匹の猫に、この秋に第3子が誕生する予定でますます賑やかに。フランス式・ゆったりとした食事の時間作り
文・タサン志麻
デザートを作るのは手間や時間がかかるイメージがありますが、フランス人が日常的に作っているものは本当にさっとできるものだけ。手の込んだものや時間がかかるものは主に週末に作ります。
フランス人には食事の最後に甘いものを食べないと落ち着かないという人もたくさんいるので、毎日何かデザートを用意します。
すべて手作りというわけではなく、フルーツや市販のヨーグルト、チョコレートなど簡単なものも立派なデザートになります。
我が家でも和洋中さまざまな料理を食べますが、食事のスタイルはフランス式。品数は前菜とメインの2品と少なく、そして食後には必ずデザートを食べます。
2品だけだと一見さびしいように見えますが、サラダやスープには季節の野菜をたくさん使いますし、メインディッシュにも野菜の付け合わせを添えます。
大切なのは品数ではなく、栄養バランスなので、皿数が少ないからといって栄養が偏っているということではありません。皿数が少ないと作るのも楽ですし、洗いものも減ります。
また、デザートの楽しみがあると、子どもたちもたくさん食べてくれて、テーブルでゆっくり会話をする家族の時間が増えます。
今回は時間のない日でもさっと作れるデザートをご紹介します。
クランブルはタルトとして作ることもありますが、さっとソテーしたフルーツの上にぱらぱらとかけて焼くだけで、さくさくの食感としっとりしたフルーツを楽しめる手軽なデザートです。
簡単に作れるのでそのときどきに少量でさっと作ってもいいですし、冷凍保存しておくと、気が向いたときに焼くだけで仕上がるのでおすすめです。
季節のフルーツや、缶詰のフルーツなどを使って手軽にお楽しみください。
◆レシピに書けない 志麻さん流 チーズ風味のクランブル◆
クランブルはデザートだけではありません。グラニュー糖を粉チーズに替えて作ったクランブルを、にんにくとともにさっと焼いた野菜にのせてオーブンで焼くと、サイドディッシュとしても楽しめます。
かぶは葉も一緒にソテーすると色がきれい。野菜は蒸したようにしっとりとし、クランブルの香ばしさとバター風味が素材の味を引き立てます。
お好みで粉チーズの量を増やしても。かぶ、玉ねぎ、じゃがいも、なす、ズッキーニなど水分の多い野菜でお楽しみください。