パンデミック・ジャズ
提供:ソニー・ミュージックダイレクトニューヨークを拠点にジャズピアニストとして活動する、大江千里さん。
80年代には数々のヒット曲を世に送り出し、一世を風靡。しかし47歳の時、日本のポップス界での成功を捨て、ジャズを学ぶべく渡米、新たなキャリアをスタートさせた。
15歳でジャズに出会い、もとはジャズピアニストを目指していたそうだ。時を経て夢を実現、還暦を迎え、さらなる飛躍を目指す。
そんな折に直面した新型コロナのパンデミック中に生まれたのが、アルバム『Letter to N.Y.』。
街から人が消え、救急車の音が響くニューヨークで家に籠もり、“あるものだけでどこまでおもしろいものができるか”を一つのテーマに、一人、音楽に向き合った。
街へのラブレターという意味の込められた表題曲をはじめ、メロディがループし、混沌とした今を表すような「Out of Chaos」、日常の風景への愛着を感じる「Love」など、表情の異なる楽曲が収められている。
大江さんのニューヨーク暮らしの日記を音楽で綴るかのようだ。いろいろな音がするのは、パンデミック中でも街が根本的に多様性にあふれているからだろう。
想定外の変化が起きても、解決策を見つけ、タフに人生を楽しむ。そのマインドを教えてくれる。
大江千里(おおえ・せんり)1960年生まれ。1983年シンガーソングライターとしてデビュー。「十人十色」や「格好悪いふられ方」などのヒット曲で人気を集め、テレビ等でも活躍。2008年ニューヨークの音楽学校に留学。現在はジャズピアニストとして、ライブや楽曲提供、執筆活動を行う。
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[CD]
『Letter to N.Y.』
提供:ソニー・ミュージックダイレクト MHCL-30689 3300円ジャズに転向後、7枚目となるオリジナルアルバムは、コロナ禍のニューヨークで生み出した“パンデミック・ジャズ”。PCとキーボードをつないだ自宅でのセルフレコーディングで、全曲を収録。2021年のニューヨーク、そして世界に向けて、希望の音楽を届ける。
[収録曲]「Letter to N.Y.」
「Good Morning」
「Out of Chaos」
「Pedestrian」
「Staying at Ed's Place」
「Love」ほか
『Boys & Girls』
提供:ソニー・ミュージックダイレクト MHCL-30533/34 3850円大江千里J-POP時代の代表曲を、ピアノ・ソロでセルフカバーしたアルバム。デビュー35周年だった2018年にリリースされた。デビューシングル「ワラビーぬぎすてて」をはじめ、「格好悪いふられ方」「十人十色」などのヒット曲にジャズのテイストが加わり、新しい息吹を与えられている。
[収録曲]「Rain」
「格好悪いふられ方」
「十人十色」
「Boys & Girls」
「ありがとう」ほか
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/高坂はる香
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。