心身の不調は呼吸から始まる。「浅くて速い呼吸」は要注意
「呼吸の役割はとてもシンプルですが、浅くて速い呼吸になるなどその質が悪くなると肺に十分な量の空気を取り込めなくなり、息苦しさが増すだけでなく、体に必要なエネルギーをつくれなくなって代謝が滞り、臓器の働きが悪くなったり体が疲れやすくなったりもします。また、呼吸は自律神経と連動しているので、自律神経のバランスが崩れ、不調や病気をきたすおそれもあります。さらに精神面においてもイライラしたり落ち込みやすくなったりします。普段はほとんど意識することのない呼吸ですが、実は“心身の不調は呼吸から始まる”といっても過言ではないのです」と本間先生は指摘します。
肺に十分な空気を取り込むためには、深くてゆったりとした呼吸をすることが望ましいそうです。
「それは一度に出し入れする換気量が多くなり効率的だからです。さらに、このような呼吸は気持ちを安定させて心身のコンディションを整えることにも役立ちます」(本間先生)。
そして、無意識に行われる代謝性呼吸や情動性呼吸で、この呼吸を実践できるようにしておくのがベストだと付け加えます。
「腹式呼吸をはじめ、さまざまな呼吸法は深くてゆったりとした呼吸を取り入れているので、呼吸法を通してトレーニングするのも一つの手ですが、随意呼吸の場合、意識したときしか行えず、かつ長続きさせるのも難しいため、無意識に行われる呼吸で実践したほうがよいのです」と本間先生はアドバイスします。