きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う、きのこフレンチ ア・ラ・カルト 第14回(全17回) 秋冬になると食卓を飾る機会が多くなるきのこ。その使い方に精通する山岡昌治シェフに、コース仕立てできのこの料理を教わりました。今回使うのは、手に入りやすい栽培のもの。使い慣れたきのこの新しくて豊かな世界を紹介します。
前回の記事はこちら>> 【えのきのプリン】
デザートもきのこ三昧
カクテルプレート/アトリエジュンコ テーブルクロス/アレクサンドル・チュルポー(麻平)きのこのデザートというと意外に思えるかもしれません。しかし味がなく、食感や見た目を楽しむタイプのきのこならデザートにもなじみます。
えのきのプリンは、えのきたけのピュレ入り。プリンにえのきたけの風味はないものの、笠の入る白いソースで「えのきのプリン⁉」という驚きをねらいます。笠のプチプチした食感も楽しい一品です。
おなじみきのこでサプライズデザート
えのきのプリンのレシピ
■材料(6人分)・えのきたけ...200グラム
【えのきのソース】
・牛乳A...100ml
・グラニュー糖...40ml
・水溶きコーンスターチ...適量
【プリン生地】
・牛乳B...200ml
・三温糖A...80グラム
・卵...2個
・生クリーム...80ml
・ラム酒(ダーク)...5ml
【カラメル】
・三温糖B...50グラム
・水...10ml
■作り方(1)えのきたけの笠と軸を切り離す。軸は5ミリ幅くらいに切る。ここから笠50グラムを取り出し(ソース用えのき)、残り(プリン用えのき)と分けておく。
(2)ソースを作る。(1)の「ソース用えのき」を牛乳A、グラニュー糖とともにさっと煮て、水溶きコーンスターチでとろみをつける。冷蔵庫で冷やす。
(3)プリン生地を作る。(1)の「プリン用えのき」、牛乳B、三温糖Aのうちの40グラムを鍋に入れて火にかけ、沸騰直前で2分間ほど煮て火を止める。粗熱が取れたらミキサーでピュレにする。
(4)卵を溶きほぐし、残りの三温糖を加えてよく混ぜる。(3)のピュレ、生クリーム、ラム酒を混ぜ合わせ、目の細かいざるでこす。1時間以上やすませる。
(5)カラメルを作る。三温糖B、水を鍋に入れて中火で煮溶かし、そのまましっかりと濃いカラメル色になるまで熱してから火からはずす。鍋底を氷水にあて、温度を下げる。
(6)プリン型の底に(5)のカラメルを敷き、冷めたら(4)のプリン生地を注ぐ。
(7)ふきんを敷いたバットに6の型を並べ、60度ほどの湯をバットに注ぐ。150度のオーブンで約40分間蒸し焼きにする。蒸し上がったら、粗熱を取ったのちに冷蔵庫で冷やす。
(8)(7)のプリンを、型の内径に沿って切れ目を入れてから逆さに出して器に盛りつけ、(2)のソースをかける。
〔教えてくださったのはこの方〕
山岡昌治(やまおか・しょうじ)さんフランス料理「レストラン マッシュルーム」のオーナーシェフ。愛媛県松山市生まれ。27歳でフランスに渡り、約5年間料理の修業をする。帰国後、フレンチレストラン勤務を経て1993年東京・恵比寿に自店を開業。フランス滞在中に自然の偉大さ、特に未知のきのこワールドに魅せられ、休日は日本の山野を歩き回る。「レストラン マッシュルーム」東京都渋谷区恵比寿西1-16-3 ゼネラルビル恵比寿西101
TEL:03(5489)1346
〔特集〕きのこの伝道師 山岡昌治シェフに習う きのこフレンチ ア・ラ・カルト(全17回)
料理/山岡昌治 撮影/角田 進 取材・文/柴田 泉
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。