ドイツ、魅惑のビール街道 最終回(全5回) ビールの醸造所(ブルワリー)が集まるドイツ・バイエルン州。ヨーロッパで活躍するオペラの演出家/プロデューサー、高島 勲さんが、ブルワリーを巡って1000キロの旅をしました。
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ドイツビールの歴史を訪ねて
山の上には町のシンボル、プラッセンブルク城が建つ。©Frankenwald Tourismus- Marco Felgenhauerフランケン地方は豊かな軟水に恵まれた麦の産地で、古くからビール造りが盛んでした。ここクルムバッハでは、紀元前800年頃のビールジョッキが発見されており、この町は“隠れたビールの首都”“ビールの故郷”と呼ばれています。
14社の企業共同体であるクルムバッハ・ビール醸造所は、1846年創業の株式会社で「シュタルクビアEKU28」(世界で最も強いビール)、600年以上の歴史を持つ僧侶のマークの「メンヒスホーフ」、「カプツィーナ」といったブランドを製造しています。
今回訪ねたメンヒスホーフ醸造所の敷地内にはバイエルン・ビール博物館があり、ビール造りの歴史も学べます。広い館内をビールソムリエの資格を持つメンツェル博士と研修生のアンナさんが案内してくれました。醸造マイスターのセバスチャンさんが、透明なガラスの煮沸釜にホップを入れる作業を見学し、「博物館ビール」を試飲させてもらいました。
女性館長のヘルガ・メッツェル博士とフランケン・ビール街道の看板。パンと香辛料の博物館も併設されているユニークなバイエルン・ビール博物館。©Isao Takashimaメンヒスホーフ醸造所に併設するビアガーデン。©bavaria.travel- Tobias Gerberクルムバッハ醸造所が運営するバイエルン・ビール博物館。展示方法や内容は子どもたちをも飽きさせない工夫がされている。©Bayerisches Brauereimuseum im Kulmbacher Mönchshof