正月事始め
歳神様をお迎えする前に
絵・文=鮫島純子(エッセイスト)
正月事始めは“煤払(すすはら)い”、薪や門松の松を山に採りに行く“松迎え”など、家々を訪れる歳神様を迎える準備を始める日をいい、平安時代の宮中行事に原型が見られます。
江戸時代には鬼が籠こもって出歩かない鬼宿日(きしゅくび=つまり吉日)の12月13日に江戸城で煤払いが行われ、それを見倣(みなら)った庶民の間にも広まりました。
今は正月事始めを鬼宿日に行うことや、歳神様をお迎えするためという由来は忘れられがち。今年は余裕をもって年越しの支度を始めたいものです。
家のすみずみまで埃を払い、福徳を授けてくださる歳神様を、清澄な気の中にお迎えしましょう。
『家庭画報』2021年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。