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巨匠たちの名画が来日!『メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年』

2021.12.09

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〔今月の美術〕『メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年』

世界屈指の美術館、アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館から、選りすぐりの名画が日本にやって来る。

《音楽家たち》

カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ)《音楽家たち》1597年 ニューヨーク、メトロポリタン美術館 Rogers Fund, 1952 / 52.81


大阪市立美術館の篠 雅廣(しの・まさひろ)館長に話を聞いた。

「今回の展覧会は、ルネサンスから19世紀までの西洋絵画65点が来日します。そのうち46点は日本初公開です。慎重に、丁寧に、公平に選ばれた名作が揃いました」

《キリストの磔刑》

フラ・アンジェリコ《キリストの磔刑》1420-23年頃 ニューヨーク、メトロポリタン美術館 Maitland F. Griggs Collection, Bequest of Maitland F. Griggs,1943 / 43.98.5

本展は、500年の歴史を時代に沿って分けられた3章で構成されている。

「たとえば第1章のフラ・アンジェリコの《キリストの磔刑》。ルネサンス以前の宗教画とは異なり、生身の人間のようなキリストの腰布が風にたなびき、宗教画ながらも人間が呼吸できる地上の空間を描いています。今回の展覧会は、このようなルネサンスの絵画からスタートし、王侯貴族、市民が自分たちの物語を描いてほしいと発注し始めたことで肖像画や風景画、静物画が生まれ、19世紀にはモネやセザンヌのように自分が描きたいように描く画家が登場するという、西洋絵画500年の変遷が見て取れます。」

《信仰の寓意》

ヨハネス・フェルメール《信仰の寓意》1670-72年頃 ニューヨーク、メトロポリタン美術館 The Friedsam Collection, Bequest of Michael Friedsam,1931 / 32.100.18

《リンゴと洋ナシのある静物》

ポール・セザンヌ《リンゴと洋ナシのある静物》1891-92年頃 ニューヨーク、メトロポリタン美術館 Bequest of Stephen C. Clark 1960 / 61.101.3

この時期に、このような大規模な展覧会が行われることの意義を伺った。

「メトロポリタン美術館は、パンデミックが世界を覆っている今こそ連帯したいという意図で作品を送り出してくれました。他人と対話し、異なった意見をもつ人とも認め合う。私たちが忘れかけている、そうした世界の理想的なあり方を、この展覧会を通して見ていただきたいと思います」

『メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年』

【大阪展】大阪市立美術館
~2022年1月16日
休館日:月曜、12月30日~1月3日(1月10日は開館)
入館料:一般2100円
大阪市総合コールセンターなにわコール:06(4301)7285
※日時予約優先制

【東京展】国立新美術館
2022年2月9日~5月30日
休館日:火曜(5月3日は開館)
入館料:一般2100円
ハローダイヤル:050(5541)8600
※日時予約制

公式URL:https://met.exhn.jp/
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/安藤菜穂子

『家庭画報』2021年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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