フランスのハイジュエリーと日本の名匠の作品が競演
1780年の創業以来、比類なき宝飾技術を継承・進化させてきたフランスのジュエリーメゾン「ショーメ」。この秋、その卓越した職人技の結晶ともいうべきハイジュエリーの世界を堪能するイベントが、風光明媚な横浜の日本庭園「三溪園」で行われます。
「ラ ナチュール ドゥ ショーメ」コレクション フィルママン アポロニアン ネックレスイベントのタイトルは「フランスと日本文化のConversation―ショーメのサヴォワールフェールと日本の名匠3人との対話」。最近、日本でも耳にすることが増えた「サヴォワールフェール(savoir-faire)」とは、伝統を受け継ぐ職人技や優れた技巧を示すフランスのことばで、日本語では「匠の技」とも訳されます。
ハイジュエリーを通じてものづくりの神髄に触れる
“ショーメのハイジュエリーと日本の名匠のコラボレーション”が見どころの本展。
〈余白の美〉、〈自然を彫る〉、〈金属の芸術〉という3つのテーマごとに、「竹芸」、「盆栽」、「刀」の名匠が手掛けた作品とショーメのハイジュエリーが「対話」するという、ユニークな趣向が話題を呼んでいます。
訪れる人がショーメと匠の世界を行ったり来たりしながら、国や時を超えた“サヴォワールフェール(匠の技)”に触れ、人の手が成す仕事の奥深さを体感できる仕立てとなっています。
最初のテーマは〈余白の美〉。無数の竹ひごを編んで作る独創的なインスタレーションが国内外で高い評価を得ている竹芸家、4代 田辺竹雲斎氏のダイナミックでモダンな竹の空間芸術は必見で、「編む」、「組む」という技巧を通じてハイジュエリーとの共通項が浮かび上がります。
このイベントのために制作される作品は、終了後には解かれ、また次の作品へと生かされるそう。
続くテーマは〈自然を彫る〉。世界的な盆栽作家の木村正彦氏の盆栽作品と、ショーメの高度なカッティングが際立つハイジュエリーを間近に見ることができます。
一つの枝や葉を取捨選択しながら手間暇かけて育てることで「理想の形」へと仕上げる盆栽と、自然の産物である鉱物が最も美しく輝くようにカットする宝石、展示を通じて共通する美意識を感じられそうです。
最後は〈金属の芸術〉。日本刀の名匠であり、800年続く大阪・月山家の5 代目 月山貞利氏と息子の貞伸氏。
ショーメが皇帝・皇后の御用達ジュエラーとしてクラフツマンシップを現代に伝えてきたように、先祖代々の作刀の技を受け継いできた月山家。彼らの鍛えた刀身には、綾杉肌と呼ばれる独特の模様が浮かび上がります。
横浜・三溪園へ、心ときめく美術散歩を
60ピース以上が集まるハイジュエリーはもちろんのこと、名匠らが披露するのは、いずれも圧倒的なパワーを感じる作品ばかり。ジュエリー好きならずともぜひ足を運びたいイベントです。
普段身近に接する機会の少ないハイジュエリーや匠の技に触れ、美への造詣を深める絶好のチャンス。このまたとない美と芸術のコラボレーションを、横浜・三溪園の秋深まる美しい庭園とともにお楽しみください。
「フランスと日本文化のConversation―ショーメのサヴォワールフェールと日本の名匠3人との対話」