自宅に居ながらスマホやタブレットなどの画面越しに診察を受けられる「オンライン診療」。「感染リスクの高い関節リウマチの患者さんにとってメリットは大きい」と専門医も期待を寄せています。興味はあるけれど不安もあるというかたも、まずはその仕組みや上手な利用法を知っておきましょう。それが“はじめてのオンライン診療”への第一歩です。
「患者さんに、ストレスの少ない診療環境を提供したいのです」山岡邦宏先生
山岡邦宏先生●産業医科大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部内科学教室リウマチ内科准教授等を経て、2018年より北里大学医学部膠原病・感染内科学主任教授。日本内科学会認定総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医ほか。オンライン診療で減らせる、感染リスクと通院の負担
通院に伴う負担を減らす新たな診療の形として、少しずつ知られてきた「オンライン診療」。コロナ禍で一気に注目度が上がり、取り入れる医療機関も増えています。
特に関節リウマチの患者さんにとっての利便性は大きい、と指摘するのはリウマチ専門医で北里大学医学部主任教授の山岡邦宏先生です。
「免疫を抑制する薬を使っていると感染のリスクが高くなり、患者さんは公共交通機関の利用や病院の待合室で長時間過ごすことに大きな不安を感じています。また治療期間は長期にわたり、ご家族の付き添いが必要な高齢者も多く、時間的・身体的負担は決して少なくありません。オンライン診療は、このような患者さんやご家族の不安、ストレスを減らせる点でメリットがあると考えます」
自宅で主治医の顔を見ながらリラックスして受診
実際にオンライン診療を利用した患者さんの感想もおおむね好意的です。
感染を心配する必要がない、待ち時間が減った、受診時間を自分の都合に合わせやすいなどのほか、自宅で主治医の顔を見ながらのやりとりなので電話診療より安心感が得られ、病院よりもリラックスして話せる、といった声も聞かれます。
「主治医というのは、症状はもちろん心配ごとや疑問に思うことは何でも気軽に相談してほしいものです。患者さんが心情的に話しやすくストレスの少ない環境で受診できるのは、医療者の立場からも安心で望ましいことです」(山岡先生)