おなかまわりに、ぽっこり脂肪がつく「中年太り」は、年のせいだとあきらめていませんか。肥満には「糖質」が深くかかわっているため、糖質を少し控えるだけで、おなかまわりからみるみるやせていきます。中年太りにこそ効果の高いダイエット法です。
そんな、今知りたいダイエットのヒントを山田 悟先生(北里大学北里研究所病院 糖尿病センター センター長 食・楽・健康協会 代表理事)監修のダイエット本
『世にも美味しい「ゆるやかな糖質制限ダイエット」』から、ご紹介します。
甘いパンや果物など糖質が肥満のもと。要注意です!糖質を控えるだけで「食べても太らない体」に変わります
おなかまわりに脂肪がつく中年太りはなぜ起こる?
30代の頃と、食事量や運動量などライフスタイルは何も変わっていないのに年をとるにつれて太ってきて、いつのまにか〝洋梨型〟の体型になっていませんか。おなかまわりや太ももなどに脂肪がつく中年太りはなぜ起こるのでしょう。「それは年齢とともに筋肉量が減少してくるからです」と山田 悟先生は指摘します。私たちの体はじっとしていても、生きていくうえで必要な活動を行うためにエネルギーを消費します。これを「基礎代謝」といいます。基礎代謝は呼吸をしたり体温を保ったり心臓を動かしたりすることなどに使われますが、最もエネルギーを消費しているのが筋肉なのです。
そのため、筋肉量が減少すると消費される基礎代謝量もそれだけ少なくなります。「体がこのような変化を起こしているのに、若い頃と同じようなライフスタイル、特に食生活を続けていると摂取するエネルギーが消費されるエネルギーを上回り、いつのまにか太ってしまうのです」(山田先生)。こうして筋肉が少なく脂肪が多くなった体を、さらに肥満のスパイラルへと誘う物質があります。それが「インスリン」というホルモンです。
糖質を制限すると体脂肪が熱量に使われてやせていく
体のエネルギー源となる糖質は、食物として摂取された後、消化管で消化されて血液中に吸収されます。この血液中の糖質を体内の細胞に送り込み、エネルギーとして利用できるように橋渡しをするのが「インスリン」です。インスリンは膵臓でつくられ、糖質を摂取すればするほど血液中に分泌されます。
インスリンは血液中で糖質処理をする際、筋肉量が少ないと筋肉組織ではなく脂肪組織に糖質を送り込むため、体に脂肪がため込まれます。つまり、筋肉が少なく脂肪が多い人はさらに太るという肥満スパイラルに陥るのです。「筋肉量や基礎代謝が低下する四〇代以降の人が減量を成功させたいのなら、カロリーよりも糖質に注意することが肝心です。糖質を控えるとインスリンの分泌量が減り、脂肪組織にそれほど糖質が送り込まれなくなって太りにくくなります」(山田先生)。
糖質制限ダイエットは、糖質以外の食材を食べたいだけ食べても太らないと評判です。その理由について山田先生は次のように説明します。「人間の体はまず糖質を燃やしてエネルギーに変えていきます。糖質を控えるとすぐに使えるエネルギーが少なくなるので、体はため込んでいた体脂肪を燃やそうとするのです」。その結果、体脂肪は常に使われるエネルギーとなり、糖質以外の食材を食べたいだけ食べていても太らない、あるいはやせていくという現象が起こるのです。
糖質量に気をつければ好きなだけ何でも食べられます。
ゆるやかな糖質制限ダイエットのルールに基づいた献立例をご紹介します。
山田 悟/Satoru Yamada
北里大学北里研究所病院 糖尿病センター センター長 食・楽・健康協会 代表理事
1994年、慶應義塾大学医学部卒業。2011年より北里大学北里研究所病院 糖尿病センター センター長。糖尿病専門医。糖尿病に関する臨床や研究活動とともに、2013年11月に一般社団法人「食・楽・健康協会」を設立し、社会に向けて「ゆるやかな糖質制限」の啓発と普及に精力的に取り組んでいる。
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