介護費用の共通認識を持ち、親が元気なうちに話し合いを
一方、ニッセイ基礎研究所が介護費用の負担を調査したところ、要介護者本人の負担は全体の6割弱で、3割強は家族が負担していました。
こうした実態に対し「一般的には親世代のほうが子ども世代よりも資産を持っているのと子ども世代は多額の教育費や住宅ローン返済で高収入の家庭でも経済的余裕がありません。子どもが立て替えておいて遺産で精算する方法もありますが、きょうだい格差が生じやすく相続時にもめる可能性が高いので、親の資産で介護費用を賄うのが原則です」と黒田さんはアドバイスします。
そして、親が元気なうちから認知症の介護費用に対する共通認識を持ち、その費用が親の資産で賄えるのかということを話し合って備えておくことが大事だとも。次回では、その備えの一つになる認知症保険について取り上げます。 『家庭画報』2022年1月号掲載。
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