3000球のスノードロップが地面を白く埋め尽くす
スノードロップはヒガンバナ科の秋植え春咲き球根です。春に咲く球根の中でもっとも開花が早く、2月〜3月に花を楽しめますが、「石窯ガーデンテラス」では、すでに年末から咲き始めています。
イギリスではスノードロップの群生が林や森の地面を真っ白に染める景色が多く見られ、規模は小さいながらもそんな景色をここでも再現したいと、ニコラスさんは年々球根を植え足し、また、大きく育ったものは株分けし、現在では約3,000球のスノードロップが植わっているそうです。
日本で流通しているスノードロップは、英名「ジャイアントスノードロップ」で呼ばれるガランサス・エルウェシーがほとんどですが、ほかにも品種はたくさんあるので、ここの庭にも数種類を植えているのだそうです。しかし、長く育てているうちに自然交配し、いまでは品種を区別するのは難しいのだとか。
しゃがみ込んで花をのぞき込んでみると、遠目からは同じに見える花に個体差があるのがわかります。花の大小、また花びらがふっくらしたもの、スマートなもの、なかには白い花びらに入る緑色がくっきりとハート形を描いている愛らしいものもあります。
「スコットランドは日本より冬が長くて景色も寂しいんです。だからスノードロップが咲き出すと嬉しくて胸がときめくような気持ちになって……」とニコラスさん。「石窯ガーデンテラス」のスノードロップはこれから徐々に咲き揃い、2月いっぱい群生が楽しめるそうです。気の早い春の妖精に会いに、ぜひお出かけください。
真っ白で清楚なスノードロップの群生。これから2月いっぱいまで楽しめる。 写真/Nicholas Lenaghan(ニコラス・レナハン) 白い花びらに緑色のハートが描かれたかわいらしい花も見つかる。 写真/横田秀樹 スコットランドのエディンバラ生まれのニコラス・レナハンさん。「石窯ガーデンテラス」をはじめ、多くの個人邸や集合住宅の庭をデザイン・管理している。とても真面目な性格なのに、おちゃめな一面もあり、鎌倉の庭でも「ニック」の愛称で親しまれている。 写真/横田秀樹