いつもスーさんとミキさん、二人を感じながら──
41年ぶりの歌手活動再開
伊藤 蘭さん/Ran Ito 東京生まれ。1973年キャンディーズとして歌手デビュー。人気絶頂の1978年に解散。1980年女優として復帰。2019年歌手活動を再開し、ツアーやアルバム制作に精力的に取り組む。
ニット44万3300円(参考価格) スカート62万1500円 靴30万300円 ピアス(3つセット)7万3700円 リング4万9500円/すべてルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)あの日比谷野外大音楽堂に“ランちゃん”が帰ってきた
「ただいま、野音!」──。2021年9月26日、キャンディーズが伝説の解散宣言をした日比谷野外大音楽堂(以下・野音)のステージに、伊藤 蘭さんの声が44年ぶりに響き渡りました。
“この場所に、そしてみなさんのもとへ帰ってきました”の思いを込めたご挨拶。どれだけ多くのファンがこの瞬間を待ったことでしょう。
2019年に歌手活動を再開し2年。セカンドアルバム『Beside you』の楽曲とキャンディーズナンバーで展開されたコンサートツアー2021は、大阪公演と、東京公演に野音公演を追加した全4回。前年からコンサート名に“Candies”を冠しています。
「最初は私一人でキャンディーズを名乗っていいのかなという気持ちもありました。でもスーさんとミキさんはいつだって私の中にいるし、歌っているときは二人が確かに横にいる──。そんな私の思いを丸ごとお客さまが受け取って、二人のことも思い出していただけたらどんなにうれしいか。そして当時のスタッフが魂を込めて作り上げ、残してくれたたくさんの楽曲の存在にも背中を押されました」
1977年に解散宣言をした思い出深い日比谷野外大音楽堂で開催された追加公演(2021年9月26日)。ソロアルバムの曲やキャンディーズのナンバーを披露し、「会場全体が“おかえり”と温かく受け入れてくれたのを感じました」(蘭さん)。撮影/近藤みどり(左写真) 小田部 伶(右写真)感染対策が施された会場は、掛け声禁止のルールを守りながら「この熱い思いを何とか届けたい」と強く願うファンのエネルギーに溢れていました。
ステージ上の蘭さんは、経験したことのない温かくて優しい愛が充満し、波動となって伝わってくるのを感じたといいます。その愛は、お互いに年月を重ねてきた間に熟成されて、より深く神聖なもののようにさえ感じた、と。
「春一番」「年下の男の子」「微笑がえし」──キャンディーズ・タイムには往年のヒット曲をフルバージョンで次々と歌い上げる“ランちゃん”。
高いヒールを履き、キレキレの動きで当時の振り付けどおりに踊り、声量たっぷりに歌う姿を前に、観客も瞬く間に40年以上前の自分に。
キャンディーズのラストシングル「微笑がえし」(1978年2月リリース)。この直後に解散して以来41年ぶりの歌手活動再開は大きな話題となった。写真提供/ソニー・ミュージックダイレクトご自身は「今の自分にできることを粛々とやっているだけ。キャンディーズの振りは歌の世界を損なわないように顔まわりが主で、あまり激しい動きはないんですよ」と話しますが、大変な努力と練習の成果であることは明らか。
蘭さんのコンサートに毎回足を運ぶというご主人の俳優・水谷 豊さんも、「よく踊りますねえ。家ではふつうにしているんですけど。すごいですね」と客席で友人と話していたそう。
「後で主人に“私、そんなに踊ってないでしょ?”と聞いたら、“いいえ、踊っていますよ”(笑)。エンターテインメントとしてよかったともいってくれました。......ミキさんも観に来てくれたんです。“客席でずっと一緒に踊ってたよ。楽しかった”って」