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「舘プロ」設立で新たなスタートをきった舘 ひろしさんが語る、これまでとこれから

2022.01.11

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舘ひろしさん

医大に二度落ちて初めて知った現実の厳しさ
「最大の挫折は医師になれなかったこと。原因は自分の甘さです」── 舘 ひろしさん


お父さまが医師だったため、周囲から同じ道を歩むことを期待されていた長男の舘さん。本人もまたそのつもりだったと明かします。

「親父も、早くに亡くなった親父の弟も医者で、医者になるのが普通、自分も医者になれると思い込んでいたんですね。十分な勉強もしないまま医大に二度挑戦して不合格。あまりにも自分が甘かったということなんですが、初めて厳しい現実に直面して投げやりな気持ちになりました。期待に応えられなかった挫折感も大きかった。一方で、弟はちゃんと勉強して医者になって、甥っ子3人も全員医者になりました」


サバサバとした口調のなかに、少しだけ心残りが滲みます。でも、俳優、舘 ひろしの名演が観られるのは、舘さんが医学の道へ進まなかったおかげともいえます。

そして、舘さんの俳優人生で最大の転機といえるのが、2020年8月に他界した渡 哲也さんとの出会いでした。

「渡さんから最初にいわれたのは、『お前には華がある』そして『芝居なんていい加減でいい』。慣れない仕事で緊張していた僕に『構えずに自分を出していけ』という意味でいってくれたのだと思います。あと、いわれて戸惑ったのが『芝居はするな』。俳優なのにどういうことかと思いましたが、人生ごと演じろということなんですね。生きざまがすべて出るから、と。その点、僕の人生は薄っぺらでいけません」

「僕が俳優として幸運なのは、代表作と呼べる作品があること」── 舘 ひろしさん


誰もが憧れる格好いい刑事役で名を馳せた舘さんですが、現在はコメディや時代劇の好演も光ります。世間のイメージと違う役を演じることに抵抗はなかったのでしょうか。

「いちばん戸惑ったのは2007年のドラマ『パパとムスメの7日間』ですね。親子の人格が入れ替わる話で、僕に求められたのは女子高生の芝居。石原プロ的にはやらせる気はなかったんです。でも、僕は『臭い』『ダサい』などといって煙たがられていても、父親は娘のことを大切に思っているんだよと伝える内容に共感したし、新しいマーケットを開拓するチャンスだとも思った。

あと、ハードボイルドな舘 ひろしのファンは観ないだろうと思っていました(笑)。ドラマを観たうちの親父は『情けない』といってテレビを消したらしいけど、あの作品は大きな転機になったし、僕の代表作の一つだと思っています。僕が幸運なのは、『あぶない刑事』や『パパとムスメ』など、代表作と呼べる作品があること。代表作がいくつかあるのは俳優として大事なことです。そういう意味で恵まれてきました」

45年の俳優人生を振り返り、嚙み締めるように話す舘さん。その目に、映画やドラマで共演する若い俳優たちは、どう映っているのでしょう。

「みんな真面目でお芝居もしっかりしていて、ただただ感心するばかり。一緒に仕事をするときは迷惑をかけないようにしなくちゃと思います。若い人から学ぶことは本当に多いです」。

真摯な眼差しから、本心であることが伝わってきました。

みんなに愛された代表作の数々


1982~2004年『西部警察』


石原プロ制作、渡 哲也主演の刑事ドラマ。この番組で舘さんは敬愛する渡さんと出会う。

1986~2016年『あぶない刑事』


柴田恭兵さんとのコンビで大ヒットしたスタイリッシュでコミカルな刑事ドラマ。劇場作品も数多い。

2018年『終わった人』


定年退職した男の悲哀を描いたハートフルコメディ。国内外の映画祭で賞を獲得した映画。
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