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林真理子さん×鈴木亮平さんが新春特別対談!『西郷どん』、その後の二人

2021.12.24

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林 真理子さん週刊誌の対談で初めて話したとき「こんなインテリのかたが出てきたんだと驚きました」と “『西郷どん』前” を振り返る。

西郷隆盛と近藤 勇。似て非なる二人を演じて


 その代わりといってはなんですが、『燃えよ剣』は見ました。新選組については断片的に読んではいたけれど、それほど詳しくなくて。今回、全体像がよくわかりました。それにしても鈴木さん、西郷隆盛から近藤 勇までなんて振り幅の広さがすごい。二人は似ているようで、やっぱり違いますから。

鈴木 そうですね。西郷さんは政治を動かす側の人間でした。もともとの身分は低いけれど、お殿さまに取り立てられて最先端の教育を受けて、外国の力も日本の現実も知ったうえで、どう日本を動かして薩摩がどう主導権を握っていくか、広い視点で見ることができた人。


かたや新選組は、庶民の視点に近い。政治の目は持っていないんです。政治の上の力に翻弄されて真意を知らされないままに利用されていった過激さがある。器用に生きられない男のまっすぐさや滅びゆく者のロマン、ただ腕っぷしは最高に強いというところに男が惚れる。僕たちの気持ちに刺さるんじゃないでしょうか。

 そう、歴史の狭間でいいように利用された男たち……あまりにもかわいそうですよね。鈴木さんが演じられた近藤 勇も、リーダーシップをとっていそうでとっていない。ちょっと弱さを見せるあたりも絶妙で、さすがです。

鈴木 司馬遼太郎さんが書かれる近藤勇って、結構頼りないというか、武士としてあまりしっかりした人物じゃない。とはいえ、そのままやってしまうと、じゃあ近藤はなぜ局長なんだ?となってしまうので、ちょっと男っぽくて、理屈ではなくついていきたくなる感じというのも出さないと、映像としては成立しないと思いました。

 司馬さんの功績というのは大きくて、いわゆる司馬史観ですよね。ただ、一人の作家によって日本の歴史があまりにも変わってしまったのではないかという一面もある。坂本龍馬も、実は司馬さんが書かれたああいう人物ではなかったんじゃないか、とかね。でも私は、作家があれほどに歴史観を変えるって、すごいことだと思うんです。

鈴木 本当です。たぶん日本のほとんどの人が抱く坂本龍馬のイメージというのは、司馬さんが書かれたもの。筆の持つ力というのはすごいと思います。

 私もそういうふうな西郷さんを書きたかった。力及ばずでしたけれど。ただ一つ「西郷(せご)どん」という呼び名が広まったのは功績といってもいいかしら。それまで誰もいわなかったから。あれは、奄美大島のいい方なんです。

鈴木 僕、あれから奄美に4回くらい行きました。

 ほんとに?

鈴木 すっかり気に入ってしまって。最近、僕が向こうに家を買ったという噂まで流れるくらい(笑)よく行っています。奄美はすばらしいです。

 世界自然遺産にも登録されたから、ますます注目が集まりますね。あら、世界遺産といえば、鈴木亮平さんじゃないですか。でも、あまり人に来られるのは……少し困りましたね。

鈴木 ねっ。

後編へ続く>>
撮影/江原英二〈Astro80〉 着付け/伊藤和子(林さん) スタイリング/徳永貴士(鈴木さん) ヘア&メイク/板谷裕實〈ITAYA〉(林さん) 宮田靖士〈THYMON Inc.〉(鈴木さん) 取材・文/河合映江 撮影協力/ストリングスホテル東京インターコンチネンタル

『家庭画報』2022年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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