この時代を代表する大スターであることも十分意識していたシュトラウスは、晩年が近づいても外ではどうしても「ワルツの王」の名声に恥じぬよう、格好をつけなくてはならず、気の休まる時もなく、シュトラウスほど一人になった時とのその差が激しかった人はいないといわれています。
「彼は作曲するのに、夜中の静かな時間や雨の日を好みました。楽器はハルモニウムを用いましたが、私もこの楽器が好きで、ここに向かっていたヨハンの一人になった時の気持ちがわかるような気がします。さまざまな思いの中、美しい音楽が生まれたのです」
下のフォトギャラリーから詳しくご覧いただけます。 撮影/シモン・クッパーシュミート ウィーン取材コーディネート・取材・文/武田倫子 編集協力/三宅 暁(編輯舎)
『家庭画報』2022年1月号掲載。
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