ビートルズのレノン&マッカートニーの曲なら「
ノルウェーの森」や「
シーズ・リービング・ホーム」、ジョージ・ハリスンでは「
ロング・ロング・ロング」「
アイ・ミー・マイン」がある。
映画『レット・イット・ビー』のなかで、ジョージの「アイ・ミー・マイン」の歌に合わせて、ジョンとヨーコがワルツを踊っていたのが印象的だ。
ビートルズ解散前のひんやりとした空気感とマイナー・キーの曲が重なりあった忘れられないシーンである。
サイモン&ガーファンクルのワルツなら、「
スカボロー・フェア」。
イギリスの伝統的バラッドを編曲しているが、どこか旅愁をおび、ヨーロッパの緑の森を連想させる。緑といえば「
グリーン・スリーブス」もワルツだ。
日本の童謡や唱歌にも、「
ぞうさん」「
赤とんぼ」「
故郷(ふるさと)」「
仰げば尊し」など多数あり、ことに「仰げば尊し」は卒業式の定番ソングだった。映画『二十四の瞳』での合唱には、思わず目頭があつくなった。
また、日本のフォークソングでは「
知床旅情」「
この空を飛べたら」などたくさんの3拍子曲がある。
加藤登紀子で思い出した。京都大学の学生時代、コンパの後に必ず歌った三高の学生歌「
琵琶湖周航の歌」もワルツだったが、学生運動で敵対する勢力が、そのときだけは肩を組んで、右に左に揺れながら歌っていた思い出がある。
右上から下に、サイモン&ガーファンクルの『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』、ビル・エバンス『ワルツ・フォー・デビー』、加藤登紀子『知床旅情』、ビートルズ『ラバー・ソウル』、同『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』。それぞれ紹介したワルツを収録。