“寒邪”は首すじと背中を襲い、“燥邪”は口・鼻・喉を狙う
寒さと乾燥が体に侵入する経路はそれぞれで、もたらすかぜのタイプや症状も異なります。
寒さが襲うのは首の後ろや背中です。上半身が冷えてひくかぜは悪寒や寒気に始まり、首・肩のこりや頭痛を伴います。空気の乾燥は口や鼻の潤いを奪って喉粘膜の免疫力を下げ、ウイルスの気管への侵入を許します。こうして起きるのが喉の腫れや炎症のあるかぜ。
鼻が詰まっているときや口を開けたまま寝ているときの口呼吸も、同様に喉の粘膜を弱らせます。インフルエンザが夏でなく冬に流行するのは、インフルエンザウイルスが低温と乾燥に強く、高温と湿気に弱いためで、雨や雪が続いて湿度が上がると一時的に感染が収まる傾向があります。
撮影/本誌・武蔵俊介 イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2022年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。