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漢方的アプローチで風邪予防。寒さを断ち、喉を守るセルフケア

2022.01.14

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【1月の食養生】


かぜの快復を助ける食材は大根、梨、梅干し、しょうが、長ねぎ、葛、しそ、にんにく、にらなどです。スープ、ポトフ、蒸し野菜など温かい料理でいただくのがコツです。

◆強い寒気には葛、しょうが、長ねぎを


・葛湯……カップに葛(吉野葛)を適量入れて少量の水で溶き、熱湯を注ぐ。好みでおろししょうがやはちみつを加える。体の冷えを取り、頭痛や肩こりも和らげる。
・長ねぎとしょうがのスープ……みじん切りにしたねぎの白茎部分とおろししょうがを鍋で煮て、味噌で味をつける。

◆喉の炎症には大根としょうが、梨がよい

・大根湯……大根おろしにおろししょうがとだし汁を加え、必ず熱いうちに飲む。大根には喉の粘膜を潤し、咳を止める効果がある。
・梨のホットジュース……果汁100パーセントの梨ジュースを温めて飲む。梨の季節には果実をすりおろして絞ったものを温めるとよい。


【漢方薬局だより】


かぜの相談が急に増える1月。漢方薬の処方は養生法とともに

漢方薬を専門に扱う薬局を一般に漢方薬局といいます。漢方薬に詳しい薬剤師が漢方相談を行い、問診や舌診(舌の状態をみる中国医学の診断法の一つ)によって症状や体質に合った漢方薬を処方します。このとき同時に養生法を指導する薬局は信頼できるといえます。養生法を実践するか否かで薬の効き目が3割は違うからです。

1月はかぜの相談が急に増えます。頭痛、悪寒、首や肩のこりがあるときは葛根湯、全身の関節痛や筋肉痛がある場合は麻黄湯を処方し「温かいおかゆやスープを飲んで汗をかきましょう」と言葉を添えます。後漢の医学書『傷寒論(しょうかんろん)』にも、これらの薬は「汗をかいてこそ効く」と記されています。

喉が腫れて炎症を起こしているときは駆風解毒湯(くふうげどくとう)、やや軽症で口や喉が乾燥している場合は銀翹散(ぎんぎょうさん)。金銀花茶(きんぎんかちゃ)をおすすめすることもあります。いずれも首まわりと背中を温めることとマスクの常用は必須です。

〔解説してくださったかた〕横浜薬科大学特任教授・薬学博士 漢方平和堂薬局店主 根本幸夫先生

根本幸夫先生

1947年生まれ。69年東京理科大学薬学部と東洋鍼灸専門学校を同時に卒業後、さらに鍼灸と中国医学を学ぶ。「普段の生活こそが治療の場」をモットーに、漢方平和堂薬局(東京都大田区)では多くの人々の健康相談にのり、養生法をベースに漢方薬処方を行っている。横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター長ほか役職多数、著書多数。
撮影/本誌・武蔵俊介 イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美

『家庭画報』2022年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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