【1月の食養生】
かぜの快復を助ける食材は大根、梨、梅干し、しょうが、長ねぎ、葛、しそ、にんにく、にらなどです。スープ、ポトフ、蒸し野菜など温かい料理でいただくのがコツです。
◆強い寒気には葛、しょうが、長ねぎを・葛湯……カップに葛(吉野葛)を適量入れて少量の水で溶き、熱湯を注ぐ。好みでおろししょうがやはちみつを加える。体の冷えを取り、頭痛や肩こりも和らげる。
・長ねぎとしょうがのスープ……みじん切りにしたねぎの白茎部分とおろししょうがを鍋で煮て、味噌で味をつける。
◆喉の炎症には大根としょうが、梨がよい・大根湯……大根おろしにおろししょうがとだし汁を加え、必ず熱いうちに飲む。大根には喉の粘膜を潤し、咳を止める効果がある。
・梨のホットジュース……果汁100パーセントの梨ジュースを温めて飲む。梨の季節には果実をすりおろして絞ったものを温めるとよい。
漢方薬を専門に扱う薬局を一般に漢方薬局といいます。漢方薬に詳しい薬剤師が漢方相談を行い、問診や舌診(舌の状態をみる中国医学の診断法の一つ)によって症状や体質に合った漢方薬を処方します。このとき同時に養生法を指導する薬局は信頼できるといえます。養生法を実践するか否かで薬の効き目が3割は違うからです。
1月はかぜの相談が急に増えます。頭痛、悪寒、首や肩のこりがあるときは葛根湯、全身の関節痛や筋肉痛がある場合は麻黄湯を処方し「温かいおかゆやスープを飲んで汗をかきましょう」と言葉を添えます。後漢の医学書『傷寒論(しょうかんろん)』にも、これらの薬は「汗をかいてこそ効く」と記されています。
喉が腫れて炎症を起こしているときは駆風解毒湯(くふうげどくとう)、やや軽症で口や喉が乾燥している場合は銀翹散(ぎんぎょうさん)。金銀花茶(きんぎんかちゃ)をおすすめすることもあります。いずれも首まわりと背中を温めることとマスクの常用は必須です。