エンターテインメント

「セーラー服と機関銃」から40年、素顔の薬師丸ひろ子さんを特別インタビュー!

2021.12.28

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薬師丸さん

あなたはこの仕事が好きなんです


──主演、助演と幅広く演じられていますが、どのように出演作品を決められるのでしょう?

薬師丸 登場人物の中の一人の役でお話をいただいたときは、自分が観たい作品か、面白いと思うかで決めています。役の大小以上に、面白いと皆さんが思ってくださる作品に出られることがとても嬉しいのです。


──お仕事のモチベーションはどこから来ているのでしょうか。

薬師丸 実は、10代の頃、厳しい監督にしごかれ、褒められることもなかったのに、何ゆえ自分で自分を支えてこの仕事をしているのだろう、と常々不安でした。まだ20歳のときに「もうここからは下り坂だ」と一部でささやく声も耳に届いていましたし(笑)。

ニューヨークが大好きで30代の頃よく行っていたのですが、カウンセラーのかたを紹介されたんですね。「自分がなぜこの仕事をしているのかわからない」と吐露したら、「今のお仕事を何年やられているのですか?」と聞かれて。その時点で20年以上経っていると答えたところ、先生に「もう考えるのはやめなさい。もし嫌いなら、とっくに病気になったりして続いていないから。あなたはこの仕事が好きなんです」ときっぱりいわれたんです。せっかく500ドル払ったので、もっと話してくれないのかなと思ったりしたのですが、それさえ伝えたらもう十分です、みたいな感じでした(笑)。でも確かにそのひと言が今、自分をただただ突き動かしています。

薬師丸ひろ子さん

「私はこの仕事が好きなんだ。その言葉が、立って歩いていける基盤になっています」── 薬師丸さん


――ニューヨークまで行って受けられた意味があったのですね。

薬師丸 あったんですね。その言葉をいただいたときから20年余り......、多分一生消えないでしょう。簡単な言葉なのですが、本当に悩んでいるときにすっと腑に落ちる言葉って、聞けるようでなかなか聞けないと思うんです。だから横からどんなに強い風が吹いてきても、どんな言葉よりも「私はこの仕事が好きなんだ」ということが、自分が立って歩いていける基盤になっているんですね。

──歌と演技はそれぞれどのようなものですか?

薬師丸 ここ最近は意外と歌と演技が一体化してきているといいますか。例えば、ドラマの中で歌を歌うことで相乗効果が得られたり、言葉で伝えられない想いを音楽にのせると誰かの心により深く響く。それを体感させていただけたのが、渡辺はま子さん役だった『戦場のメロディ』(2009年放送)や『あまちゃん』(2013年放送)でした。『エール』(2020年放送)で歌わせていただいた讃美歌もそうですね。以前は、歌手活動と演技活動を分けて考えるところがあったのですが、今は非常に自由にそこのところを行き来できています。
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