歌手デビュー40周年記念のオールタイムベストアルバムデビュー曲から呉田軽穂さんによる最新曲まで、全シングルと代表曲を網羅した究極のアルバム『Indian Summer』発売中。本人監修のベストセレクション盤含む3枚組。通常盤(CD3枚組)4950円〜。――歌手活動40周年記念日の2021年11月21日、全シングルと近年の代表曲を網羅した、3枚組のオールタイムベストアルバム『Indian Summer』が発売されました。想いをお聞かせください。
薬師丸 いつも今がいちばん納得できる自分でありたい。そんな想いもあって、過去を振り返ることが意外と気恥ずかしかったんです。10代当時、何を感じながら想いながら歌っていたかということも自分ではすべてわかっているので、甘い感じもちょっと酸っぱい感じもあって。
でも今回、改めてベストアルバムを作るために聴いてみたところ、そのときにしかない自分自身、声、歌と40年経って出会えたといいますか。難しい歌だとわかっていないからこそ、気負わずに軽々と歌っていて、意外と“この子”も悪くなかったと思えました(笑)。ライブ音源とオリジナル音源があるのですが、その時代でいちばん声が出ていると自分で感じる特徴的な音源を集めてみたつもりです。
ドレス/ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)子どもの頃から憧れと尊敬の対象であるユーミン
――新録曲は呉田軽穂(松任谷由実)さんの作品なんですね。
薬師丸 「Woman“Wの悲劇”より」というユーミンさんが手がけてくださった名曲から37年。この40周年を前に再び提供してくださるお気持ちが本当に嬉しくて。ユーミンさんは私のことを“やっくん”と呼ぶんですね。「Woman」を作ってくださったとき、「これはもう、やっくんのオートクチュールだから」といわれたんです。それ以来、着られなくならないようにはみ出さないように、この曲を大切にまとっていこうという気持ちで、20歳のときから歌っています。でも、この「Woman」は成長していく歌なので、まだまだ消化しきれていないところもあると感じていて。年齢が変われば、曲のとらえ方も変化してくるんですよね。
今回いただいた曲「Come Back To Me〜永遠の横顔」も、やっぱりすごいです。いろいろな場面が目に浮かんでくるような、素敵な言葉をユーミンさんが紡いでくれています。人生はすべてが成就するわけではなくて。でも切なくてほろ苦かったとしても、心にポッと灯った想いを抱えて生きることって素敵なんじゃないかと、歌詞に想いを馳せて歌いました。
――ユーミンさんは薬師丸さんが小学生の頃から憧れの人だったんですよね?
薬師丸 今回、レコーディングに立ち会ってくださったのですが、好きすぎて同じ空間にいるのがつらいくらい。変な自分になってしまいました(苦笑)。私はデビュー前から、ユーミンさんに対して憧れと尊敬の気持ちを持っているんですね。わけがわからなくなるほど緊張感に包まれる、唯一のかたです。