伯爵夫人の知的好奇心を満たす場所
第4代伯爵が愛した書斎兼居間。蔵書はなんと5650冊に及ぶ。レディ・フィオーナのお気に入りの部屋は、古書がそのまま素敵なインテリアアクセサリーになっているライブラリーだそうです。
1538年初版の珍しい本など歴史的価値のあるものばかり。先人の知恵に守られ今に至る、本が伝える悠久の歴史を感じながら、アフタヌーンティーが楽しめるなんてとても贅沢です。
「城の部屋数は200から300ほどでしょうか」と語るレディ・フィオーナ。「ランプシェードを一度に150個も新調したこともある」そうです。インテリアで一番気を使うのは「部屋が醸す昔から伝わってきた魂を、大切にすること」。
壁や、窓枠、床などは、もとの色素成分を分析して、英国製のペンキで調和を大切にしながら塗り直しているそうです。絨毯もランカシャーの老舗にオリジナルの復刻版を特注するそうです。
●フィオーナ・カナーヴォン伯爵夫人/ロンドン生まれ。6人姉妹の長女。 セント・アンドリューズ大学で英語とドイツ語を専攻、ロンドンで国際会計士として働く。1999年カナーヴォン伯爵と結婚。一人息子エドワードの母。ハイクレアのガイドブックをはじめハイクレア絡みの数々の著書をしたため、歴史家として知られる。趣味は乗馬、読書。オフィシャル・サイトは
https://www.ladycarnarvon.com/次回はこの美しい城を影から支える人々についてお届けします。2月26日更新。お楽しみに。
山形優子フットマン/Yuko Yamagata-footman
フリーライター
上智大学文学部社会学科卒業。カルフォルニア州立大学心理学科でヒューマニスティック・サイコロジーを専攻、修士課程修了(ロータリー財団奨学生)。新聞記者を経てフリーライターに。在英約30年。イギリス人男性と結婚、3人の娘の母。著書に『憧れのイングリッシュガーデンの暮らし』(エディシォンドゥパリ)、『なんでもアリの国イギリス なんでもダメの国ニッポン』(講談社文庫)他。